六日目

修学旅行もようやく6日目ね。けっきょく昨日はあの子のせいでろくに寝れなかったわ‥。

「先生ー、今日はわたしたちの買い物に付き合ってくださいよー」
「そうですよー、せっかくの旅行なのにぜんぜんわたしたちと付き合ってくれないんだから」
 女教師を取り囲む女生徒たちがなんとか自由時間を誘い出そうと声を掛けている。彼女たちの不満も最もだろう。学生時代の大切な思い出である修学旅行。にも関わらず憧れの女教師ときたら四六時中問題児の監視で触れ合う機会もなかったのだから。
「ご、ごめんさい。誘ってくれるのは嬉しいんだけどあの子のお守りがあるから‥」
 そんな女生徒たちに慶子は心底申し訳なさそうに少し離れたところで立っている問題児、菊丸を見やって頭を下げるしかない。
「あんな奴のせいで先生が謝らなくても‥」
「ほんと最悪。明智なんて居残ってたらいいのに」
「まあ、今回は大人しくしてるし、いろいろ先生のこと助けてるみたいだしね~」
 当たり前の話だが菊丸の女生徒からの評価は最低である。そしてその最低の行為を担任教師でもある桂木先生が監視しているのだから不承不承頷くしかない。それに今回の旅行ではどうにも先生の調子が悪いらしく、菊丸が積極的に担任を助けているのを目にしている女生徒も多かった。
「‥そ、そうね。いろいろ助けてもらってる‥わ」
「先生がそう言うんじゃじょうがないか。じゃ、わたしたちはもう行きますね」
 生徒たちが散った後、桂木先生も問題児の元へと足を向けるのだった。 

 

「おかえり~、先生♪」
 菊丸は上機嫌でさも当然のように恩師の腰を抱き寄せて歩き始める。慶子はそんな態度になにか言いかけ、すぐ諦めたように問題児と並び歩く。
「それで? どこ行こうっていうのよ」
「せっかくだし土産物屋でも見ていこうと思ってさ」
「‥あんたにしちゃまともだわね‥」
 意外さを隠せず慶子の目がスーッと薄まる。どうせあんたのことだから、と続けたいところだ。
「やだなあ、ぼくだってせっかくの修学旅行なんだし、少しは思い出の品くらい買って帰りたいですって」
「‥まあ。それくらいなら付き合ってあげてもいいわ」
「えへへ、そうこなくっちゃ」
 邪気のない笑いを浮かべる菊丸に、つい慶子も苦笑してしまうのだった。

「コケシってこんなにいろんな種類があるんですね」
 二人が入ったのは大通りから外れた小さな土産物屋で、離れにある工房で作った民芸品を扱っているようだった。店の中には人気がなく「用向きの方は工房まで」と掛札があるだけだ。
「元々は子どもたちの人形遊び用の玩具だったらしいけど、いまは観賞用としてもけっこうな人気みたいね」
「へえ、そうなんだ、‥っ?!」
 飾られた種種雑多な木彫りのコケシを前に感嘆する教え子に、教育者らしく解説をしながら桂木先生も棚に屈み込む。
「ふふ、これなんか目元がいずみちゃんに似てるかしら」
 女生徒の勝ち気そうな瞳を思わせる人形に笑みを浮かべる女教師は、不用心にも菊丸の前でお尻を突き出し格好となっていることに気付いていなかった。
(おお‥、この迫力のおヒップ様!)
 黒のタイトスカートにぴっちりと包まれた見事なヒップラインに菊丸は涎をこぼさんばかりに魅入っている。
(こうしてスカート越しに見るとまた違った色っぽさですなあ♪)
 ほんの数時間前まで紐一本の数珠パンティだけのお尻を散々に目にしたというのに、まるで飽きないどころか見えそうで見えない絶対領域を前に菊丸の表情が変わっていく。
(う~ん、デートみたいで楽しかったけど‥)
 連日連夜、担任教師を可愛がりさすがに一日くらいはまともな修学旅行を楽しませようと思っていたのに、こんな格好を見せつけられては堪らない。
 辺りを伺い、スカートの裾に手をかけゆっくりと捲り始める。
 段々と真っ白い剥き身の卵のようなお尻が白昼、顕になっていくと(うひょひょ~、出ました、先生の可愛いお尻!)と小鼻を膨らませて目に焼き付ける。数珠パンティが喰い込むだけのお尻は完全に丸見え状態で興奮をいや増すのだ。
「ねえ、菊丸くん、これなんかお土産に‥、なに、涼しい? って、なにやってるのよ、あんたは~~~~~っ!!」
「ありゃ、バレちゃった。いやあ、目の前にお尻が、つい」
「つい、じゃないわよっ!」
「まぁまぁ。どうせなんだし、昨日の続きといきましょう」
「じょ、冗談じゃないわっ!? ああ、もう、あんたなんかを信用するんじゃなかった! はやく離れなさいッ!」
 発覚したのを幸い、お尻へ擦り擦りと頬を寄せながら勝手なことを言う菊丸に怒気を滲ませる担任教師。だが、もちろんそれで離れる菊丸ではない。
「そんなに暴れたら迷惑でしょ♪」
「あっ!」
 クイッと数珠パンティを引かれ、慶子から小さな悲鳴が上がる。
 腰に抱きつかれ、ゆっくりと数珠パンティを動かされると「ウッ‥」と呻いて太腿を捩らせる。
「それにしても数珠パンティにずいぶん慣れましたよね~」
「あっ、あ、あ‥!」
「穿いてるだけなら普通に過ごしてるんだもん」
「あ、当たり前でしょ‥っ、み、みんながいるのよっ、あ、やっ、いやぁん」
「え~、三日くらいは歩いてるだけで大変だったじゃないですか」
「う、うるさい‥っ、あ、あ、や、やめっ、やめなさい‥っ!」
「こうやってぼくが適度に刺激してあげてるから、慣れるのも早いんですよ」
「なにを言って‥、あ、ああ‥っ、あ、ああーっ!」
 ツンツンと大事なところを殊更に刺激され、女教師は立ったまま仰け反り愛らしい悲鳴を上げてしまう。
(その代わり、ちょっと弄っただけでこれだけどね♪)
 ほんの数往復させただけで、お尻に汗をびっしりと浮かび上がらせ膝を擦り合わせる担任を見上げ、楽しくてならないといった笑みを浮かべる菊丸。
 なんとか数珠を意識しないよう努めていても、歩くだけで数珠の一粒一粒に刺激されているのは変わらない。それを強靭な精神力で抑え込んでいるのに、こんな風に直接刺激されて平静を保てるわけがない。
「い、いい加減に、して‥っ、今日くらい、あ、ああンっ、普通にさせてちょうだいっ」
「ぼくもそう思ってたんだけど、いやあ、やっぱりこうして先生のこと可愛がらないと落ち着かないんですよね~」
「ふざけないでッ! わたしはあなたのオモチャじゃないのよっ!」
「え~、そうですか~?」
「うっ‥、ぁあっ、や、いやっいやあぁっ! ひ、引っ張らないでえっ!」
「えへへ、リモコンのオモチャを思い出しますなあ。桂木ロボ、もっと
 大きく声を上げるのだ!」
「あっ! ぁ、あっ、ああーっ!」
 オモチャの玩具に見立てられ、キュンと思い切り紐を引かれて美貌を朱に染め上げ言いなりに声を上げてしまう。ほんの少しの操作で思うように操られてしまう口惜しさに泣きそうになる。
 ついさっきコケシを子供用のオモチャと説明した自分が、教え子のオモチャ扱いになっているのだ。
「よしよし。いい子だぞ、桂木ロボ。これはご褒美だ」
「あ。あ、あ、あっ! だ、だめっ、だめ、だめえっ!」
 クイッ、クイッと数珠紐が喰い込み大事な場所を刺激され、女教師は鉢腰をうねらせて泣きじゃくった。
(ほんと可愛いなあ。まだ十分も経ってないのにね~♪)
 この六日間だけでも愛らしさを増している女教師に、つくづく頼もしさを感じてしまう。
「い、いやっ! いやよっ‥、あ、こ、こんなとこでっ、あ、あ、やっ、き、菊丸っ!」
「オモチャじゃないんでしょ? それとももう我慢出来ないんですかぁ、桂木号ちゃん♪」
「くっ、‥ぅ、うっ、あ! あ、だ‥めっ、もうだめ‥ぇっ! くやしい‥っ」
「はいはい。悔しいのはわかりましたよっと」
 歯噛みしながら睨みつけてくる担任教師を軽くいなすと、余裕たっぷりに桂木ロボを操縦する菊丸。
 数珠の動きを速められ、慶子は「ああっ」と叫ぶと操られるまま妖しく腰をうねらせてしまうのだった。

「ハァハァ‥ッ、ン、ンぅ‥っ」
 民芸品を飾る棚に手を置き、肩を喘がせながら息を整える桂木先生に、菊丸の方は不満げである。
「もう。教えたじゃないですか。ちゃんと口にしないと駄目でしょ?」
「う、うるさ‥い‥わよ、そう、いつもいつも、言いなりになるもんです‥か」
 荒い息を吐きつつ、それでも気丈に教え子を睨むのはさすがである。
(そ、そうよ。あんなこといつまでも言ってたまるもんですかっ)
 旅行中に教え込まれ、心ならず口にしてしまっていたが、そうそう思い通りになるつもりなどないのだ。とはいえ、脳裏に教え子の顔が浮かび、繰り返し躾けられた身体は意に反して口を開いてしまいそうになる。だからこそ憎まれ口を叩いて誤魔化しているのだ。
「ありゃ。今日はずいぶん反抗的ですね?」
「い、いつまでも思い通りに出来ると思ったら大間違いよ。りょ、旅行が終わったら覚えてなさい」
「うわ、こわっ。‥う~ん、それじゃ旅行中はもうちょっと楽しませてもらわないとね」
「ちょ‥っ?! あ、やめなさいっ、は、離してっ、離しなさいってば‥、あ、あ、いやあっ!」
 いまだ肩で喘ぐ女教師を腕の中に抱き寄せ、またも数珠パンティを使って悪戯を開始する菊丸。
「あ、あ、あ! だ、だめっ、引っ張らないでっ、あ、ああン!」
「ほらほら、思い通りにならないんでしょ?」
「あ、あたりまえ‥っ、あ、あ。いやぁあっん」
「でへ。数珠引っ張っただけですよん♪」
「くっ、うっ、あ、ああっ」
 悔しげに唇を噛み締め、思わず菊丸の背に手を回してしまう。上はブラウスを着たままだが、スカートは捲くれてお尻が丸出しになっている格好は傍から見ればひどく滑稽だろう。
 その丸見えのお尻をクネクネと揺らし少しでも数珠紐の刺激から逃れようとするのだが、自分以上に自分を知り抜く少年に弱点を刺激されて掴んだシャツをギュッと握って「あ」と白い喉を見せ喘いでしまう。
「言っときますけど、ぜんぜん本気じゃないですからね~」
「そ、そんな‥っ、あ、あ、あンンっ」
 耳に囁かれるおぞましい台詞に身震いするも、それが嘘でないことは身に沁みてわかっている。大人顔負けのいやらしさを発揮する少年の本気に、七つも上の自分が何度泣かされたことか。
 そして何より悔しいのはまだまだ余裕を見せる教え子に、もう抵抗らしい抵抗も出来ず泣きじゃくるしかなくなっていることだ。
「い、いやっ、あ、いや! き、きくまるくん、だめっ、もうだめ‥」
「早すぎですよ、セ~ンセ♪ さ、今度はちゃあんと言っちゃいましょうね」
 わかってはいても早すぎる反応に呆れつつ、眉根を寄せ必死に堪らえようとするあまりに可愛い女教師を観察する余裕さえ見せていた。
「いやよっ、あ、あ、ぜったい、いや‥っ、あ、あ、っ!」
「もう。ほんと今日は強情だなあ」
 ブルブルと腕の中で震えながら、それでも口にしようとしない女教師に顔を顰める。
(なるほどなあ。旅行も終わりそうだし、最後くらいは意地を張るってことか~)
 ま、いいけどね。と胸中呟く菊丸。
 なにしろまだ丸一日は残っている。お仕置きの我慢大会を開くのも一興だ。
(先生の方から仕掛けたんだし、覚悟してもらいますよん♪)
 美貌に脂汗をびっしりと浮かべ、必死に葉を食い縛って美貌を嫌々と振りたくる担任をからかいつつ堪能し、昨日の復習も兼ねてゆっくり可愛がろうと心に決める。
 そんな菊丸の胸中も知らず、オモチャ扱いを繰り返す不埒な教え子に女教師は「み、見てなさいっ、ぜったいお仕置きしてやるんだからっ」と荒い息を吐きつつ叫ぶのだった。

い、いつまでも言いなりにならないわよ‥ッ、菊丸‥!

 

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