2002年、世界ロボット博にてコンパニオンとしてアルバイトをするいずみ。
そんないずみの前に千春と菊丸が顔を出し、届け出のないアルバイトに口止めとしてコーヒー振る舞おうと控室に招き入れる。と、飾ってあったロボットに興味を持った菊丸を止めようとする悶着のなかでロボットを壊してしまう。
なんとか誤魔化そうと菊丸はいつものアレを用いるのだった‥
感想
2002年に英知出版より復刻されたハートキャッチいずみちゃん。
ハート編、キャッチ編と銘打たれた中でハート編にていずみたちが遠山先生をインタビューする楽屋漫画を収録し、その流れとしてキャッチ編でじつに1987年の連載終了から15年の時を経て、平成版ハートキャッチいずみちゃんとして蘇ることとなったのがこちらになります。
当時はファンサイト(公式)で大変盛り上がったものです。ちな、自分とこは公式からもハブられていた(リンクにも載っていない。なんかすげえ嫌われてみたい)のであまり盛り上がることはなかったのですが。
蓋を開ければ蘇ったというよりは、その公式ファンサイトで公開されていたいちりかさんの二次創作を下敷きにしたもので、ずいぶんと肩透かしを食らったのを覚えています。
先生曰く原稿料も安く(8000円だったかで×35で28万円ですね。アシスタントの手も借りていますから実際臨時収入としてもあまり手間に見合わなかったとは思います)そんなに気合を入れていられないみたいなことを仰っていました。
で、出来の方はといいますと、元より遠山先生は自分の作品を読み直す作家ではないとのことで、先だって自身のブログで載せていたいずみたちの未来などでも当時のいずみたちの年齢等も覚えていないくらいの愛着なのでしょう。
今作もファンからすれば、う~んと首を捻る部分も見え隠れしています。
せっかくのいずみちゃんも題材がロボットに扮するいずみというものなので被りモノを頭から着けているため、表情を楽しむことも出来ません。ファンのための書下ろしという感覚はなかったのだと思います。
しかしそれでも遠山先生の描くハートキャッチが連載終了後も読めるというのはなににも代えがたく、これがどれほどファンにとって貴重なものか。
その貴重な作品も復刻版も絶版となって長らく読むことが出来なかったのですが、英知出版から復刊ドットコムへと版元を変えて2015年に復刻したハートキャッチいずみちゃん全部上下巻として再び陽の目を見、かつ電子書籍として値段も手頃な形で入手出来るようになったのは喜ばしい限り。
肝心の作品はこれまでならいずみ、千春がセットとなってアルバイトをしていたものがいずみ一人でコンパニオンを行っていたり、それを菊丸千春が会場で見つけて騒動に発展するといった感じで、この時点であれ? となるのではないでしょうか。
その後の展開でも菊丸の悪戯に対していずみの反応がなにか釈然としなかったり。
貴重な作品ではありますが、評価としてはあまり高いものではありません。
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