元よりおいおい、どういうことだってばよ。となるハートキャッチですが、今回は個人的に謎回の一つである指人形劇回について。
お話はいずみたちが幼稚園で人形劇を披露し、そこで起こる騒動を描いています。
‥‥えー、もう初っ端からわけが分かりません。
卵が先か鶏が先かという話で、指人形劇に挑戦したから幼稚園で披露をするのか、それとも幼稚園で披露するから指人形劇に挑戦したのか。
指人形劇が先だとすれば、なぜいずみちゃんたちはそんなことを始めたのか、という疑問が沸きますし、幼稚園が先であればどういった経緯で繋がりを持ったのか。
この辺りが全てすっ飛ばされて頭上に疑問符が浮かびっ放しです。
これに似た冒頭で奇しくも演劇繋がりである主役は菊丸だ回があります。
こちらもいきなり演劇部部長の森尾尚美ちゃんが出てきて、菊丸に英語劇の助っ人を頼むという始まり方をするのですが、転校間もないいずみがなぜ上級生である尚美と知り合いなのか、いくら照明係とはいえなんの説明もなく顧問も介さず外部の人間に頼むものか、などという疑問が浮かびます。
構図としてはほぼ同じといっていい展開ですね。
ここから無理やりに関係性を当てはめるとするなら、この二つの話が演劇繋がりであるという点でしょうか。
そしてこの演劇に二話ともに関わっているのはいずみのみ。
菊丸も千春も、そして桂木先生も主役は菊丸だにおいては演劇と関わりがありません。というより菊丸を除けばまだ登場すらしていません。
つまりいずみと尚美ちゃんとは演劇部を介して繋がっていた、と考えれば演劇部所属のいずみが後々、その部活動の一環として指人形劇を行ったという解釈が出来なくはありません。
ちなみに強引な繋がりを持たせると、主役は菊丸だ、では英語劇を演じています。そして桂木先生は後付けですが、英語教師。
いずみは演劇部ではなく例えば英語研究部のようなものに所属していて、尚美ちゃんから菊丸と同じく助っ人扱いで借出されたという考えたも出来ます。
そして今回の指人形劇は、例えばいずみの所属する英語研究部の顧問となった桂木先生がひばり幼稚園に慰問公演を計画したという考え方も出来そうです。
どちらにしてもひばり幼稚園の責任者が出てこなかったため、保護者というか責任者は教師である桂木先生のみでというのも、上記の考え方を補強できるのではと思いました。
さて、ここからはそれこそ重箱の隅となります。
幼稚園で準備をしているいずみたちの元に桂木先生がラジカセを持ってやってきます。
ここで菊丸がラジカセ? と疑問を持ち効果音を流すのに必要だと答えるのですが、その菊丸が効果音のカセットテープを持参しているのです。
もちろん菊丸はそれがなにかも知らされず持ってくるようにと事前に渡されたのかもしれません。
しかしぶっつけ本番の人形劇ではなく、これまでも練習をしていたはずで、この反応というのもおかしな話ですね。
この年頃であの時代、ラジカセにカセットテープを入れる方法がわからないというのもまたすごい話で、菊丸は普段音楽などを聴かないのでしょうか。たしかにウォークマンなどを持ち歩いている描写もなかったですね。
ところで冒頭の指人形劇を披露する理由づけに演劇部や英語研究部のような部活動ではないかとしていますが、桂木先生がラジカセを持参したことを考えると私的活動の線がやはり濃厚ではあります。
次いでいよいよハートキャッチの肝である、菊丸の悪戯に突入していくのですが、ラジカセへの誤操作でカセットテープが飛び出し、桂木先生の胸元に入り込んでしまいます。
これを菊丸が取り出そうと先生に近づくと先生は「近寄るんじゃない! カセットを取るふりをして違うことするんでしょ! そう何回も同じ手に‥」と菊丸を拒絶します。
ここから菊丸が先生に大義名分をかざして何度か悪戯をしている、というのがわかります。
確かに先生の言うように菊丸は先生に対して違うこと、をしてはいるのですが、はっきりと作中で違うことをしているのはボディーでゴルフゲーム回にてやはり先生の胸元に飛び込んだ氷を取るふりをして、氷の窪みに乳首を嵌めこみ、ドライバーで回転させたりとした一回のみで、他では違うこと、はしていません。
そう何回も、というのは少しおかしいと思います。
もっともこの一回が相当なトラウマになっているのは続く、過激な運動会で千春に対し「気を付けなくちゃ駄目よー、うかつに近づくと何されるかわからないんだから。ただのエッチと違うんだからあの菊丸ってのは」と忠告していることからも伺えます。
ここで疑問なのが、桂木先生の服装です。
今話の前の段階で先生の菊丸への評価は上記の通り。
つまり気を付けなくてはいけない、うかつに近づくのも、なにをされるのかもわからない相手、です。
その菊丸を相手に、指人形劇という密着せざるを得ない演目に対し、桂木先生は大きく胸元の開いたノースリーブにノーブラにミニスカートという出で立ちでやってきています。
あまりにも無防備すぎるのではないでしょうか。
そして結局菊丸に隙を突かれて違うことをされてしまうのですが、前述のゴルフゲーム回では先生を一応は納得させて違うことをしていました。
しかし今回は違います。
先生は菊丸に背後から抱きつかれた段階でいずみに助けを求めればよかったのです。
テープだけを取り出す、という無茶に対してもそれでどうやってラジカセで再生するのか、という疑問を抱いてもいません。
これも次の悪戯に繋がる部分です。
菊丸のせいでカセットテープも、そして小道具の桃まで壊れてしまいました。
そこで菊丸は一計を案じ、桃の代わりを桂木先生のお尻で代用するわけですが。
これもまあ無茶な話ですね。
ゴルフゲームでの氷を外すのにドライバーを用いることもそうですが、先生は菊丸の提案というか説得に抵抗はあっても疑問は持たないということなのでしょう。
ところで指人形劇に入ってから演目は菊丸一人で回しています。
お婆さん役に桃太郎役ともに菊丸が演じています。
‥‥いずみはなにをやっているのでしょうか。
じつは冒頭では菊丸が桃太郎を手に、いずみはお婆さん人形を手に嵌めていました。
これを考えるといずみがお婆さん役だったのでは、と思うのですが、なぜ菊丸が演じているのでしょう?
それ以前に一人二役‥指人形劇の桃太郎ですから、犬猿雉と桃太郎の四役を演じるに片手で二役分としていずみ、菊丸。そして鬼役に桂木先生なのだとしても、桃に直接触れることになる冒頭部分はいずみが演じてもよかったのではないでしょうか。
これを許す先生といずみも結局のところ、菊丸への対策が出来ていないと感じますね。
最終的に指人形も舞台までも大破して劇は続けられなくなり、中止せざるを得ないことになりました。
しかしそこは菊丸でマッチ箱を利用した次の悪戯に繋げるため演説をぶちあげます。
ここでも先生は菊丸の言葉を信じて目を輝かせる有様で、今作はそうした意味でも謎の回でした。
最も一番の謎はこの提案に一番乗り気であった桂木先生が標的から外れてしまっていることで、最後の菊丸へのお仕置きというオチにすら出てこないことです。
この謎こそ全編を通じて一番のものではないでしょうか。
作中劇の中で途中で消えてしまうというのは、後にも先にもこの話のみだったのです。
って、結局桂木先生話じゃねえか。
あれやこれや 重箱の隅。

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