腹踊り 後日談

「いやー、相変わらず美味しい料理でしたねえ」
 旅館の客間で出された料理にご満悦の菊丸に複雑な表情で応えるのは保護者であり、担任教師の桂木慶子だ。
「そうね、お料理は美味しかったわ」
 料理だけではなく、通された客間も派手さこそないが気配りの行き届いた一室で旅館からのもてなしの気持ちを感じるには十分だった。
 それでも浮かない顔の女教師に。
「もう。いい加減機嫌直してくださいよ~。そりゃアルバイトを勝手に決めたのは悪かったけど、だからって困ってる料理長をほっとけないでしょ?」
「‥それは、そうだけど」
 そう。菊丸たち二人が週末、この旅館へと泊まりに来たのは知り合いの料理長から頼まれた腹踊りの代役を果たすためだった。
 単なる腹踊りなら女教師もここまで難色を示しはしない。料理長直伝の腹踊りはいつの間にか目の前に座る教え子が開祖となった菊丸流腹踊りにすり替わり、慶子は前回の宴会で大勢の宴会客、果ては仲居たちを前に大恥をかかされていた。
 それでいい顔ができるわけもない。それを察した菊丸が安心させるように担任に近づき笑顔を向ける。
「まぁまぁ、あれだけ特訓したんだし、今回は一曲踊りきってお客さんたちに満足してもらって終わりですって」
「‥‥なにが特訓よ‥」
 上機嫌に肩を抱こうとする教え子の腕を払い除け、今度こそ不機嫌さを隠そうともせず睨めつける。
 女教師の怒りも無理はない。
 前回の腹踊りから三週間。特訓と称して連日マンションに押しかけては泊まり込み、瘤付き縄衣装の恥ずかしい格好で踊らされ、踊りきれずに恥を晒せば叱咤され文字通り手取り足取りの指導を施され。衣装に慣れるためと学校でも瘤縄下着を強要され。休み時間や慶子が授業のないときには生徒指導室に連れ込まれ腹踊りの予習復習という毎日。かろうじての睡眠も菊丸の腕の中で恥ずかしい演技指導を夢にまで見る有様だったのだ。
 おかげで、というべきか。一応一曲を踊りきれる程度にはなったが、感謝する気になろうはずもない。
「‥もういいわ。どうせアンタになに言ったって聞きはしないんだから」
 はぁ、と大きく溜息を吐き、シッシッと席に戻れと追い払うように手を動かすのを捕まえられてしまう。
「ちょ、ちょっと離しなさいよ?!」
「そんな投げやりな態度じゃ、腹踊りも成功しませんよ。これはもう一度指導が必要ですなあ」
「な、なに言ってるの! いいから離し‥、あ、やっ!」
 ぐいっと手首を強く引っ張られ、そのまま教え子の胸の中に抱きすくめられると、今度は腕をねじ上げられたかと思えば、いつの間に解かれたのか浴衣の帯で縛り上げられてしまっていた。
「い、いつの間に‥っ?!」
「さ、あっちでたっぷり指導してあげますからね~」
「じょ、冗談じゃ、あ、やめてっ、離してっ!」
 暴れる担任をそのまま布団部屋まで連れ込むと襖を閉め、それから程なく、女教師の甘い鳴き声が響き始めるのだった。
「でへ。やっぱり瘤の位置が悪いですね~」
「あっ!」
「この辺かな~」
「嫌っ!」
「それともこっちかな~」
「うっ、あ、あーっ!」
「先生、ちゃんと言ってくれないとわかりませんよー」
「っ、こ、瘤なんて、いらないわよっ、この変態っ!」
 夜具に寝かされ、足を教え子の肩に抱え上げられながら大事な場所に喰い込む縄に作った瘤の調整を受けても、慶子の持ち前の勝ち気さが反抗的な態度を崩すことを許さなかった。
「変態って。ぼくはお客さんたちのために腹踊りを楽しんでもらおうと」
「この瘤のせいで満足に踊れ‥、あっ、あんっ!」
「踊れないのは先生の我慢が足りないせいでしょ。ちょっと位置を調整してるだけでこれなんだもん」
「ふ、ふざけ‥っ、あ、あっ、いやぁあっん」
 グイグイと縄を扱かれ、幾つもの瘤が大事な場所を刺激するのに、慶子は不覚にも腰を突き上げ悲鳴を上げてしまう。
「ほら、すぐそうやって大きな声を出すんだから♪」
「や、やめ‥、あぁっ‥ん、いや、いやぁあっ!」
 懲らしめるようにゴシゴシと激しさが増すにつれ、女教師の高く掲げた両足首が絡まり爪先が閉じたり開いたりを繰り返してゆく。
「き、菊丸っ、やめなさ‥ぃいっ、ひっ、ひぃっ! い、いやっ、擦らないでっ! あ、あっ、あ~~~~~~~~っ!」
「調整中なんだから暴れないでくださいよ♪」
 夜具の上でのたうつ担任を余裕たっぷりにあやしつつ、それでも瘤縄は容赦なく扱き続けるのだ。
(ほ、本番は明日なのに、どうしてこんなっ、あ、あ、いやっ、いやあん!)
 せめて今日くらいはゆっくり出来るだろうと思っていただけに、この状況に不安が増してゆく。菊丸の悪戯が一度や二度で終わるわけがない。
 そんな慶子の不安を見抜いたように。
「う~ん、どうも位置が決まらないなあ。これは時間がかかりそうですね、先生」
「そ、そんな‥っ」
「だいじょうぶ、ぼくに任せて。本番は明日の21時からだし、練習と合わせても時間はたっぷりありますからね~」
「あ、あ、いやよっ! 菊丸、許して!」
「だ~め。さ、一度すっきりしちゃいましょうね♪」
「いやっ、いやいやっ! あ、あ、そんなに擦っちゃッ、あ、あ、狂っちゃう!」
「瘤の位置はそんなんじゃ狂わないから、大丈夫ですってば♪」
「そ、そうじゃなくてっ、ああっ、わかってるくせにっ‥、あぁっ‥、き、菊丸っ‥~~~~~~~~~~~~っ!」
 いよいよ本格的な調整に入り、驚くほど細やかに、そして的確に女教師の弱点を刺激し擦る動きに慶子の悲鳴が甲高く寝室に響き渡る。
 肩に担いだ両脚が暴れるのを巧みに抑えつつ、菊丸は汗を吸い込み黒ずんできた瘤縄をキュウっと酷いほど大事な部分に喰い込ませ。
「あぁっ、あ、い、いやっ! いやぁあんっ!」
 とろーっと吸い込みきれない汗が縄を伝い、夜具をしっとりと濡らし始めてゆくのを楽しそうに見やって。
「先生、汗かきすぎですってば。シーツがすごいことになってきてますよん」
「い、いやぁっ、見ないでぇっ!」
 美貌を朱に染め嫌々をするのだが、そうして暴れるたびに瘤縄の刺激も際どくなり、その衝撃に腰を跳ねさせてはまた汗を撒き散らしてしまうのである。
(あ~あ、パンティは替えなくてもいいけど、シーツをこんなに汚しちゃって‥。仲居さんたちに謝らないとね~)
 わずかな染みがいまはもう水溜りのように広がって、この布団では眠るのも無理だろう。そんな無作法な担任へお仕置きとばかり瘤縄を急所中の急所へと擦りつけ、喰い込みを深くさせてやるのだった。
「だ、だめっ、もうだめっ!」
 布団のシーツに爪を立て、ブリッジをするように背を反らすと女教師は美貌を歪ませ、寝室いっぱいにもう水を向けられなくても条件反射で躾けられた言葉を響かせてしまっていた。
「‥‥‥っ、あ、あ、菊丸っ、慶子っ、ああンっ、~~~~~~~っ
 たっぷり一分以上も教え子に恥を晒し、ようやく慶子は夜具にくったりと倒れ込む。
「でへ。この位置、なかなか良かったみたいですね、セ~ンセ♪」
「っ、う、うるさいっ!」
 教え子のからかいに担任は首まで真っ赤にして、いまだ息を荒くしながらもきつく菊丸を睨みつける。
「もうまたそうやって意地を張るんだから。じゃ、今度は違う位置で確かめますからね~♪」
「い、いやっ‥、もうやめてっ! あ、あ、ああ‥っ!」
 慶子の不安通り、そして菊丸の思惑通り本番前の腹踊り指導は明日の本番前まで続くのだった。

 そして宴会当日。
「うわー、なんかこの前より人が増えてますね、先生」
 舞台袖から宴会場を覗き見た菊丸がざっと5~60人はいようかという客の入りに驚きの声を上げていた。
「ん、先生?」
 が、その当事者からの返事はなく、どうしたのかと抱き寄せていた担任を覗えば疲れ切った様子で肩を喘がせているばかり。
「ありゃ、まだ回復してないんですか?」
「あ、当たり前でしょ‥。ろくに寝かせてもらってないんだから」
 口を開くのも億劫だと菊丸を睨めつけつつ嫌味を返す桂木先生に、しかし菊丸といえば悪びれた様子もない。
「しかたないじゃないですかあ。本番に失敗しないためにも練習は最後までしっかりしないといけないし、けっきょくまともに踊れたのだって2、3回だったじゃないですか」
「あ、あんたが邪魔ばっかりするからでしょっ!」
 三週間の特訓で一応は踊り切ることができるようになった担任の腹踊りに、昨夜の指導では菊丸は更に細かい指導を付けてきた。
 やれ瘤縄の位置が悪い、腰の振り方が悪いと難癖をつけられて慶子は旅館に着いてから、今までろくに休むことさえできずひたすら菊丸と架空のお客相手に泣きじゃくって許しを請い続けたのだ。
 宴会の開始を告げにきた料理長が止めてくれなければどうなっていたことか‥。
「まぁまぁ。おかげで一応形にはなりましたし、緊張もほぐれたでしょ?」
「か、勝手なことばっかり‥、あっ?! ちょ、離してっ、あ、やっ、い、いやぁあん
 なおも不貞腐れる担任教師をお仕置きとご褒美を兼ねて、大事なところにきつく喰い込んでいる瘤縄をクイッと扱き、呻いた拍子に上向いたおとがいを摘んで唇を合わせてやる。
「んっ、う‥っ、むぅっ‥!」
 暴れるのも構わず、ゆくりと時間をかけて緊張をほぐすために固く閉じた歯をこじ開け、舌を絡ませる。
「‥、‥ぅ、ンっ、‥ッ、ハァっァ‥っ‥、んンっ
 菊丸流腹踊りの正装のおかげで両の腕は後ろに括られろくに抵抗もできないなか、舌を根本からきつく吸われ、キュウっと喰い込む瘤縄をゆっくりと擦られ続けると次第に女教師から漏れる鼻息に甘いものが混じりだしてゆく。
 やがて観念したように教え子に体を預け、瞼を閉じて受け入れた女教師に本番の邪魔にならない程度に瘤縄を優しく扱き続ける。
「ウッ‥、っ、ん、ぁ、ハァ‥ン
 ブルっと縄目を受けた白磁の肌が細かく摩擦した頃、そっと唇を離す。
 汗をかいた額にべっとり張り付いた亜麻色の髪を整えてやり、まだだらしなく舌を覗かせ喘いでいる可愛い担任教師と見つめ合う。
「でへ、落ち着きました?」
「‥‥うるさいわよっ!」
 自分の身体をこうも思い通りに操られる悔しさと恥ずかしさとに、つい口調が荒々しくなるが、その美貌は上気し額にはべったりと汗が浮いて亜麻色の髪が張り付いたままなのだから悩ましい。
「もう口が悪いなあ。せっかく緊張をほぐしてあげたってのに」
「なにが‥っ、わたしのことオモチャにしたいだけのくせにっ!」
「そんなことないですってば。ぼくは先生のこといつも気にかけてるんですよ♪」
 優しく笑いかけ額にかかる前髪を払って綺麗に整えると、もう一度唇を重ね合わせる。
「んっ! んうっ‥、ぅ、ムッ‥んんぅ‥」
 今度は縄は弄らず、ただ可愛い担任との甘い息と唾液を味わうのに専念し、ようやく唇を離す頃には息も絶え絶えに悔しそうにこちらを睨みつけるしか出来なくなっている。
(でへ。これだけ弱らせとけばつまんない意地も張れないでしょ)
 それでもギリッと唇を噛み恨みがましく「きくまるうっ!」と言ってのけるのだから大したものだった。しかしその強気さもいまだモジモジと太腿を捩らせていることに気付いている菊丸としては笑うしかない。
「それだけ元気があれば大丈夫ですね~。さ、本番といきましょうか先生♪」
「あ‥」
 抗う隙きさえ見せず、菊丸は愛らしい宴会芸者の肩を抱き大勢の宴会客の待つ舞台へ誘導するのだった。

「皆様、お待たせいたしました! 我らが新スタア! 桂木慶子先生の登場です!」
 マイクを片手に舞台袖から美巨乳を上下に縄で扱かれ、大事な部分を縄で隠すだけという、前回から変わらぬ菊丸流腹踊りの正装姿の女教師と共に現れた菊丸に、今か今かと腹踊りを待ち続けていた会場から凄まじい歓声が巻き上がる。
「待ちかねたぞ~。菊丸くんっ!」
「慶子ちゃん、やっぱり最高じゃあっ!」
「は、話には聞いとったが、ほんとにあげな格好で踊るんか?!」
 前回からの参加者の興奮とその噂を聞いて参加した新規客の驚愕と期待に、菊丸も満足そうに頷き。
「ううむ、前回はいずみちゃんの代役ということで皆様もご不満、不安もあったことでしょう。しかし、今日はぼくの担任でもある講談高校英語教師 25歳の桂木先生の舞台にこうして皆様が集まってくれたことに感謝の言葉もありません」
 菊丸の口上に宴会客からは「不満なんぞあるかい、慶子ちゃんは最高なんじゃっ!」「お前はそればっかりじゃのお」「なんと、教師っちゅうのもほんとじゃったんか! と、都会の先生様はとんでもないのぉ」などと応えが返り。
「今回は新規のお客様も多い様子。それでは改めて桂木先生からご挨拶をさていただきましょう」
 突然の振りにギクリと身を強張らせるも、覚悟を決めて菊丸から離れる女教師。どちらにせよこうなってはやるしかないのだ。
「‥み、皆様、ただいまご紹介に預かりました、か、桂木、慶子です。今日はわたしの腹踊りのためにお集まりいただき、ありがとうございます。精一杯踊りますので、どうかよろしくお願いいたします」
 声を震わせながらも、そこは持ち前の気丈さを発揮してしっかりと挨拶をしてみせる担任に菊丸も「うんうん」と首を振っている。
「期待しとるぞ、慶子ちゃん!」
「うむうむ、こないだみたいに可愛いとこを見せとくれ~!」
 孫娘ほどの女教師に、親父たちは前回の腹踊りを思い出しすでに酔いの回った赤ら顔をさらに紅潮させて騒ぎ立てるのだ。
「さあ、それでは当旅館名物、腹踊りの開幕ですっ!」
 高らかに宣言した菊丸が舞台袖に引き、太鼓の音が会場に流れ出す。
 壇上の桂木先生へと照明が集まり、50を超える男たちの視線が注がれるのだった。

「そ、それでは慶子の腹踊り、ご鑑賞ください」
 観念したのか、壇上に一人立った女教師が宴会客へと告げて音楽に合わせて踊り始める。
 少しでも親父たちの視線から逃れるように朱に染まった美貌を俯かせながら、菊丸に仕込まれたままに大胆に脚を開き、ガニ股状態のはしたない姿勢。くわえて大事な部分を縄が隠すだけという正装のおかげで大事な場所が今にも見えそうな危うさ。
 そんな状態で腰を妖しくうねらせ始めるのだから会場は凄まじい興奮状態に陥っている。
 それだけではない。
 前回の参加者は目ざとく、縄に施された細工を早々に見抜いて都会の女教師の大事な場所を縄だけでなく瘤が刺激をしていることに興奮をいっそう強めるのだ。
 だがなにより悩ましいのは女教師が腰を振るたび「あっ」と舌っ足らずに声を上げることだ。
 恥ずかしさに懸命に声を抑えようとしても腰を動かすたび縄に、瘤に刺激されるのか「あっ、あン!」と上げてしまい、そのたびに理知的な美貌を真っ赤にし嫌々をするように首を振るその愛らしさときたら。
(だ、だめっ、耐えるのよっ! こ、こんな奴らに負けてやるもんですかっ)
 会場が盛り上がれば盛り上がるほど、英語教師の方は必死に冷静さを取り戻そうと奥歯を噛み締める。
 女を見世物に酒の肴にする品性のなさ。自分が教師と知ってなお辱めようとする男たちの下劣さに、この間のような不覚をとるまいと決めていた。
 それでも喰い込む縄目の厳しさに、どうしても声が上がってしまうのは止められない。
「あ、いやっ‥ん!」
 慌てて口を閉じ、震える腰を引き戻そうとすると今度は大小様々不揃いの瘤に刺激されてしまう。
「うっ、ん、ッ」
 菊丸にあんなことをされていなければ、今も顔色一つ変えずに踊っていたはずなのに。
 そう思った瞬間。
「あっ、あぁっン!」
 努めて意識しないようにしていた瘤縄の形を痛烈に意識してしまい、閉じていた口から甘い悲鳴が漏れてしまう。

─でへ、強情張らないで、素直になりましょうよ♪─
「き、菊丸くんっ?!」
 ここにいるはずのない少年の声が耳に届き、頭に反響する。
─どうです? この瘤の位置。先生用に考え抜いたんですよね~♪─
「うっ‥、あ、あっ、いやっ、いやぁん!」
─そんなに嫌ですか~。じゃあ、こっちかな♪─
「ひ、いっ! そ、そこは‥っ」
─でへ、ここですか♪ じゃあここは特別大きく瘤を作って‥─
「あっ! あ、あ、だめえっ!」
 菊丸の顔が浮かんだせいで昨夜からの特別指導までが次々と脳裏のよみがえってしまっていた。
 踊っている途中での難癖、踊りきれば今度はご褒美、小休止と称して夜具に連れ込まれての瘤縄調整。
 太鼓の旋律も激しさを伴い、慶子の腰もまたカクカクと滑稽な動きに乱れ大事な場所に喰い込む瘤縄が不規則に、それでいて規則正しく弱点を突いてくるのだから堪らない。
「あっ、あ、あ、いやぁっ、こ、擦れちゃ‥う‥っ」
 菊丸の微細な調整は慶子以上に慶子を知り抜き、ほんの少しの動きでそこから脳にまでゾクゾクと電気が走ったような刺激に襲われてしまう。
─セ~ンセ♪ こういうときはなんて言うんでしたっけ?─

「い、いやっいやよっ! き、菊丸ッ、きくまるうっ‥!」
 教え子の幻聴、幻覚に慶子の口からひっきりなしに悲鳴が上がり、突然の変化に会場の酔客たちは呆気にとられつつも歓迎の大歓声で盛り上がる。
「ど、どうしたんじゃ、いきなり?!」
「我慢できなくなったんじゃないのかの。ほれ、いつもの菊丸くんじゃ」
「さすがは慶子ちゃん、相変わらずじゃあ」
 前回参加者はこの勝ち気な女教師の敏感さを知り抜いているだけに、驚きはすれ本番はこれからじゃ、と口元を歪ませ、新規客には「慶子ちゃんは菊丸くんが大好きなんじゃよ」などと先輩風を吹かせる輩まで出る始末。
 しかしその指摘も的外れとばかりも言えなかった。
 理知的な美貌を持つ都会の女教師の腹踊りはますます妖艶さを増して、腰が淫らに前後左右へとうねりだし、ガニ股の内腿がピンと突っ張ってはブルブルと何かに耐えるよう動きを止めるのを繰り返す。
「あ、あっ、あ! いやっ、菊丸ッ、きくまる‥ぅッ!」
 腹踊りに用意された太鼓の鼓音が激しく響き、慶子は条件反射で腰を小刻みに激しく前後させてしまう。
「だ、め‥っ、そんなのだめえっ、お、おかしくなっちゃ‥う‥っ」
 自分で縄を擦りつけながら嫌々と泣きじゃくりだす女教師に、宴会場にどっと笑いが沸き上がる。
「自分で擦りつけといてなにを言っとるんじゃ、慶子ちゃん!」
「ご丁寧に瘤まで拵えよって。そら、きつかろうて」
「ほれほれ、まだ半分も終わってないぞ。頑張るんじゃ、慶子ちゃん」
 下品極まる野次が飛び交い、慶子は悔しさに美貌を歪めギリと奥歯を噛み締め、口中親父たちへの呪詛を飲み込むしかない。
(す、好きでこんな格好してるわけじゃないわよっ! 瘤だって、菊丸くんが‥、あ、あぁンっ!)
 怒りで理性を取り戻しかけたのも束の間、菊丸のことを考えるだけで、また頭の中がおかしくなってしまう。
(こ、こんなの‥っ、まだ続けなくちゃ駄目なの?! あ、あと何分‥っ‥)
 親父たちの言うとおりなら、曲が始まってまだ10分も経っていないことになる。だというのに、もう慶子は決意も虚しく声を上げて泣き喚いてしまっていた。
 少しでも休憩を取れればと思っても、用意された曲はそんな慶子を嘲笑うように継ぎ目なく、いや休めると思わせてから激しくといった緩急が絶妙なのだ。
「あっ、あ、あ‥ぅっ、やぁっンぅ! い、いやっいや! いやぁあっ!」
 ガクガクとはしたなく腰を突き上げ、甲高く泣き叫ぶ女教師はもう全身をオイルを塗ったように汗に濡れ光り、とくに汗を吸い込んだ瘤縄がドス黒く変色するほどだ。
「あんっ、あぁあン! だめ、駄目ぇっ! ほ、ほんとにおかしく、なっちゃ‥ぅ‥! 菊丸くんッ、菊丸くうっん!」
 蛍光灯のまばゆい白さが視界を埋め、教え子のいやらしいニヤケ顔が脳裏に浮かび上がる。そして再びそのからかうような声が囁いてくるのだ。

─ほらほら、昨日もちゃんと教えたでしょ。我慢できないならお客さんに断らないと─
「い、いやっ、そんなのいやよっ! 許してッ、菊丸くん!」
─謝るのはぼくじゃないでしょ?─
「ああンっ! い、いじわるっ、いじわるうっ!」
 しかしいくら拒んでも、酷く喰い込む瘤縄や恥知らずにも踊ってしまう自分自身に追い詰められてしまうのだから堪えようもない。
「‥あっ、あ! お、お客様っ‥! け、慶子っ、ああっん、ダメッ‥もういやぁっ!」
「なんじゃあ、どうしたんじゃ、慶子ちゃん!」
「言いたいことがあるならはっきり言うんじゃ!」
「菊丸くんがいないがええのか~?」
「なんじゃ権助、菊丸くんに嫉妬しとるのか?」
 愛らしく泣きじゃくる都会の先生様の無様に酔客の下品なからかいが追い打ちをかける。

(し、しっかりしなさいっ、菊丸くんは舞台にいないのよっ! こ、こんなことでどうするのっ!)
 だが親父たちに菊丸を意識させられたことが、幻の教え子を振り払うきっかけとなった。
 同時に舞台開始直前まで執拗に指導をを続けた菊丸の意図に気付いて、ギリッと歯を軋らせる。
 菊丸は慶子の覚悟を少しでも鈍らせようと、ああもしつこくしていたのだ。
(見てなさいっ、絶対あんたの思い通りにならないだからっ!)
 舞台袖に引っ込んでいる教え子を睨めつけ、今度こそ慶子は男たちに隙きを見せまいと腹踊りを続けるのだった。

 見事一曲を踊りきった慶子に、しかし与えられたのは気のないばらついた拍手だけ。
「あちゃあ、お客さんたち全然満足してないみたい」
 フラフラと立つのもやっとの担任を支えてやりながら、菊丸は客の反応にしかめ面を浮かべている。
「しかたない、こんなこともあろうかと用意していた甲斐があったかな」
 ボリボリと頬を掻き、先生の身体に通していた瘤縄にさらに幾つものロープを括り付けてゆく。
「な、なにをしてるの?」
「でへ。ぼくに任せてくれれば大丈夫」
 突然の菊丸の行動に不安を煽られ聞き質すも、要を得ない返答に先生の美貌がさらに引きつる。
(この子の大丈夫が大丈夫なわけ‥、え?)
 教え子の危険性になにかが警告を鳴らしているのも遅く、足首に力が掛かり、宙に投げ出されたかと思えば、大きく割り開かれそのまま固定されてしまっていた。
「え、な、なにっ?!」
 菊丸が括り付けたロープは天井に繋がり、勢いよく引き下げたと同時、先生の身体を赤ちゃんのおしっこするような姿で宙に吊り上げてしまったのだ。
「きゃああああああっ?!」
「な、なんじゃあああっ?!」
 先生の悲鳴と白けた気分で酒を飲み始めた宴会客の驚愕の叫びが宴会場に響き渡る。
 そこに。
「ええい、静まれ、静まれいっ!」
 菊丸の大喝が宴会場を震わせた。

「ここにおわすお方をどなたと心得る! 恐れ多くも講談高校英語教師、25歳 桂木慶子先生にあらせられる!」
 突如始まった菊丸の大音声に、宴会客、慶子も呆気にとられ目を瞬かせる。それを無視して、さらに菊丸の口上は続き、
「ええい、控え、控えいっ! この紋所が目に入らぬかあっ!」
 酔客たちの前で赤ちゃんのおしっこ姿を取らされていた女教師から、かろうじて恥ずかしい場所を隠していた瘤縄をずらしたのである。
 大事な場所には瘤縄が痛いほどに喰い込み、少しずらした程度で隠していたものが見えることはなかったが。

「‥‥‥え‥?」

 しんと静まり返った会場に。
 女教師の呆けた声が驚くほど響いた。

「お、おおっ!?」
「な、なんと‥っ!」
「こ、黄門様じゃ黄門様じゃあ!」

 宙吊りにされた女教師の大きく割り開かれた両の脚の中心に息づく、菊の蕾が公開されてしまったのだ。

 葵の御紋ならぬ、菊蕾の御紋に、へへーっ、と平伏する酔客たち。
「い、いやっ、いやあっ! 見ないでぇっ!」
 一方、慶子はといえば吊るされたまま身動きも取れない裸身を必死に揺すって少しでも隠そうとするのだが、大きく割り開かれた両脚は酷く男たちの前に菊蕾を露呈させたままびくともしない。
 きつく閉じた蕾が男たちの視線に晒されヒクヒクと蠢いて、愛らしさを強調させる。
「でへ、な~んちゃって。それではこれより我が講談高校英語教師、桂木慶子嬢に改めて腹踊りの極意を躾けたいと思います」
「な、なに言ってるのよッ! 縄を戻しなさいっ! 聞いてるの、菊丸くんっ!」
 顔を真赤にして叫ぶ担任を無視し、そのまま解説を続ける菊丸。

「え~、我が菊丸流腹踊りの極意はココ。お尻の穴に力を込めることで腹筋を鍛え、より美しいお腹の笑顔を見せることにあります」
「あっ!」
 菊の蕾に指が触れ、女教師の身体がビクンっと震える。
「先程までの踊りは、美しさも力強さもない偽物。それはココに力が入っていなかったからです」
「あ、あっ、あ!」
 高説を垂れながらクリクリと蕾を指の腹で撫で回し、その度に慶子が舌っ足らずの悲鳴を上げ。それを見やって菊丸がやれやれと頭を振る。
「ご覧のように桂木先生は少々我慢が足りません。踊っているときにもココに常に意識がいくよう躾けておかないと菊丸流腹踊りを継ぐにはまだまだなのです」
 ココ、と強調するたび、窄まりの皺をコリコリと爪で引っ掻かれて慶子は赤ちゃんのおしっこする姿で宙に吊るされたまま、ガクガクと身体を揺らして「ああっ!」と悲鳴を漏らすのだ。
「ううむ、なるほど」
「奥が深いのお」
 親父たちは顔を上げ、菊丸講師の言葉に頷きつつも、視線は愛らしい女教師の紋所に釘付けである。
「さあ、それではこれより生意気女教師を素直にさせる菊丸式腹踊り指導を開始したいと思います。皆様、しばしのお付き合いをお願いします!」
「うおおおおおっ!」
「さすが菊丸くんじゃ。わしらには出来ないことを軽々と」
「そこに痺れる、憧れるんじゃああっ!」
 菊丸の宣誓に宴会場がどよめき、これから始まる見世物に一気に湧き上がった。
「ちょ、ちょっと、冗談じゃ‥、あ、あっ! いやああっ!」
 突然の指導開始に目を見開き、抗弁しようとした女教師の口は宴会場に響く悲鳴へとすり替わった。
 屈み込んだ菊丸が客に背を向け、M字型に開いた両脚の間へと顔を埋めて可愛らしい菊の蕾に口を付けたのである。
「まずは柔らかく解してあげないとね~」
 舌を伸ばし、ややきつい臭いと酸味を伴う刺激を味わいながらゆっくりと窄まりの皺を舐めてゆく。
「あっ、いやっ! やめ‥、あ、ああンっ!」
 暴れる担任の腰を抱え、優しく丹念に菊丸流腹踊りの勘所となる窄まりをほぐすよう、舌を這わせ続ける。
「あ‥っ、や、やめ、‥っ、ひ、いっ~~~~~~~~!」
 教え子の舌のざらついた感触をお尻の穴に感じるおぞましさに肌が粟立ち、慶子は美貌を右に左に打ち振って叫びを上げるが、それで菊丸が離れるわけもない。
 レロ、ピチャと宴会場に水音を響かせ、どこまでもしつこく、念入りに舌を動かし続けるうち、段々と慶子の悲鳴にどこか甘い色が混じり始めるのを年を経た観客たちが気付き出す。
「なんじゃあ? ほんとに嫌がっとるのかあ」
「権助も気付いたか。見てみい、あの顔」
「んだんだ、もう女の顔になっとるわ」
 指摘どおり、女教師の理知的な美貌は朱に染まり、額にびっしりと浮いた脂汗が亜麻色の髪をべっとりと張り付かせて凄まじい色香を演出している。
 教え子の舌先に刺激されるたび「うっ」と呻いて、眉根を寄せては白い喉を見せて仰け反る様ときたら。
(えへへ、先生もココが弱くなったよな~♪)
 チュッチュッと唇で喋みながら、舌先は窄まりの中心を抉るように出し入れする動きに変え、本格的に女教師のソコを可愛がる菊丸も慶子の反応にほくそ笑む。
「あ、あっ、あ! いやっいや! やめて、菊丸くんっ!」
「んもう、指導なんだから止めるわけないでしょ」
 女教師の哀願に顔を上げ、まだ覚悟の足りないのを窘めると再び顔を埋めて舌先でほぐす行為を続けるのである。

「あぁっ、あ、あ、あっ! や、や‥っ、あ、いや‥ッ! あ、ダメッ、だめえっ!」
 慶子がおしっこ姿をいきませ、一際甲高い悲鳴を上げたのは舌による躾が始まって20分ほどのことだ。
「これくらいでほぐしはいいかな~。ね、先生♪」
「‥っ、ぁ、ぅ、き、きく、まるぅっ!」
 立ち上がり、女教師の頭を優しく撫でながら確かめると、慶子は口惜しさに歯を噛み鳴らして菊丸を睨みつける。
「怖いなあ。これも先生がお客様に満足していただける踊りをするための指導なのに」
「ふ、ふざけないでっ! 今なら許してあげるからここから降ろしなさいッ!」
 歯を剥いて怒鳴る担任をまたも無視して宴会客に向き直ると、
「え~。皆様、準備も済みましたので、いよいよ菊丸流指導の本番とイカせてもらいます!」
「おお~、待ってました、菊丸くん!」
「慶子ちゃんはもう準備万端じゃ~」
「菊の紋所もヒクヒクして菊丸くんを待っておるぞ~」
 と拍手喝采で迎えられていた。
 宴会客の言う通り、さっきまで念入りに舌でほぐされていた菊蕾はヌラヌラと唾液に濡れ光り、キュッと閉じていた窄まりが息をするよう小さく開閉を繰り返しているのだ。
 そこに菊丸の芋虫のような指が近づき、窄まりの縁をなぞりつつ、徐々にその中心へと不法侵入を始めるのが宴会客たちの目を奪う。
「先生にはこれからぼくの指を受け入れてもらって、力を込めて締めてもらいます。そうすることで腹筋も鍛えられてゆくのが菊丸流腹踊りの指導法なのです!」
 そう言って中指が埋まり始めるのに女教師が「あ、ああっ!」と悲鳴を上げるのを宴会客の歓声に消されてしまう。
「やめて、菊丸くん! こ、こんなところで嫌よっ、ああっ、だ、ダメッ、だめえっ!」
 しかしいくら嫌がっても縄目を受け宙に吊られた状態で抗えるわけもなく、とうとう指が第一関節まで埋まると嫌でも教え子の指の太さを感じさせられてしまうのだ。
「あ、あ、あー!」
「でへ、しっかりほぐしたから痛くないでしょ? さ、力を入れないとどんどん入っちゃいますよ~♪」
 ニマニマと笑いながら、指の侵入を続ける教え子に慶子は言われるまでもなく力を込めて追い出しにかかるのだが、
「す、滑って‥っ、あ、あ、力が入らないッ!」
 唾液まみれの指先はキュウキュウと締め付ける窄まりへの潤滑油と化して、抵抗らしい抵抗さえ許してくれない。
「ほらほら、どうしたんですか♪」
「こ、この‥、菊丸‥ッ」
 きつく締め付ける感触を楽しみつつ、からかうようにゆっくりと指を前進させる菊丸が悔しくてたまらない。
「えへへ、こんどは後ろに戻ったりして♪」
「ひっ‥、いっ!」
「もう一回前進~♪」
「い、ィッ‥!」
「また戻っちゃえ~」
「あ、あっ、あ!」
 第二関節まで進むと、今度は行きつ戻りつを繰り返しながら「ほらほら、締め付けが足りませんよ」と声をかけると、宴会客からも「どうしたどうした慶子ちゃん?」「そんなことじゃ菊丸くんの期待に応えられんぞぉっ?」「ほれほれ、もっと締めるんじゃ!」などと合いの手が続く。
「お客さんもああ言ってますよ、先生?」
「だ、だって‥こんなッ、あ、あっ、ああっン!」
 こんな下品な宴会客に野次を飛ばされる屈辱に歯噛みしても、唾液潤滑油のせいで教え子の指を満足に止めることさえ出来ない。どころか前へ後ろへ動かされるたびゾクゾクと電気が走ったようになり、みっともなく赤ちゃんのおしっこ姿を揺らしてしまうのだ。
(でへ、すっかりこっちの味を覚えちゃってますなあ♪)
 修学旅行で本格的に躾け始めてから、この敏感すぎるほど敏感な女教師はここも弱点の一つに変わり始めているのだ。
「も、もうやめてっ! お願い、狂っちゃうッ」
「なに言ってるんですか。これは躾、あいや、先生の指導なんですよ。止めるわけないでしょ」
「なにが指導よッ! わ、わたしのことまた躾けるつもりなんでしょ?! あっ、あ、いやっ、嫌よっ、ああぁっん!」
 はっきりと教え子の目論見を見抜き睨みつけるも、そんな反抗は許さないと菊丸が指をドリルのように回転させると、慶子の悲鳴が宴会場に響き渡る。
「慶子ちゃん、菊丸くんの指導を躾なんぞと失礼じゃぞ~」
「そうじゃ、だいたいさっきから全然指を止めとらんわ」
 またも親父たちからの野次が飛び、慶子は悔しさを滲ませ、それでも持ち前の勝ち気さが顔を覗かせ少しでも侵攻を止めようと必死に窄まりに力を入れるのである。
「うっ、ん‥ッ! ァ、クッ、う、んンッ!」
「おおっ、その調子ですよ、先生!」
 指が折れるかと思うほどの締め付けに頬を緩め、担任教師を励ます菊丸。
 宴会客もキュウッと菊丸の指を締め付ける菊の御紋に「おお~っ」と感嘆しているほどだ。
「まるでタコの吸盤じゃの」
「ううむ、さすが都会の先生様じゃ。覚えが早いのお」
「菊丸くん、慶子ちゃんの具合はどうなんじゃ~?」
 健気な女教師の抵抗も男たちにとっては酒の肴に過ぎず、ヒクヒクと蠢く菊蕾の可憐さに舌鼓を打っては酒を飲み、寄った勢いで下品な野次を投げかけるのだ。
「いやあ、先生のココは最高ですよ。ぼくが丹念に育てましたからね~」
「だ、誰がアンタに育て‥っ、あ、あ、あ!」
 理不尽な教え子への叱責は煩そうにした菊丸が指を軽く捻っただけで封じられ、またも慶子は赤ちゃんおしっこ姿のまま、ガクンっと腰を跳ね上げ「だめえっ!」と泣きじゃくるのだった。
「あいかわらずじゃのお」
「まったく末恐ろしい少年じゃあ」
 孫娘ほどの慶子をさらに年下の少年が可愛がる姿に、思わず知らず畏敬の念さえ抱く親父たち。
 これほど理知的で気の強そうな都会の美女をこうまで躾けているのだからそれも当然だろう。
 そんな宴会客の称賛に応えて、菊丸の指は器用に女教師の弱点を探っては悲鳴を搾り取ってゆくのであった。

「あ、あっ! き、菊丸ッ、菊丸ううぅっ!!」
 一際甲高く教え子を呼ぶ声が会場に響き渡る。
「でへ、なんですか? セ~ンセ」
 もちろん窄まりが指をきつく喰い締める感触に担任の状態に気付いているが空惚けてみせる。
「言いたいことがあるなら大きな声で言ってくれないと♪」
「い、意地悪言わないで‥っ、あぁン、もう駄目っ、駄目なの!」
「意地悪なんて言ってませんよ。ほら、何が駄目なんですか? 言ってくださいよ~」
「いやっ、ああ、いやぁっ! い、言えないっ、そんなこと言えないいッ!」
 教え子からの催促にしかし慶子は美貌を真っ赤に振りたくり、汗を散らしながら必死に抗う。けれどもう限界なのは菊丸だけではなく、会場に集まる酔客たちの目にも明らかだ。
 縄に縛られM字型に開かされた両脚の内腿は青白い血管を浮かせて引き攣り、宙に浮いた爪先はさっきから開いたり閉じたりを繰り返し。 
 大事なところを隠している瘤縄は汗を染み込ませてドス黒く変色し、それが酷く喰い込んで今にも見えそうなのにこの都会の女教師恥ずかしさすら忘れて腰を前後させ。
 なにより瘤縄をずらして露呈させた慎ましい菊の蕾は7つも下の少年の指をキリキリと咥えこんで、縄から染み出す汗に濡れ光ってヒクつく様子を余すことなく見せつけている。
「ほらほら、強情張らないの。さ、お客さんたちにはっきり言ってあげましょう?」
「あっ、あ、あ、ああっ!」
 優しく囁きかけながら、ズボズボと指を前後させ見世物と化した女教師を更に追い詰めるのを忘れない。
「ひっ、い‥やっ、あ、あ! だめっ、きくまるっ、やめてっ、あ、あ‥ああ~~~~~っ!」
 赤ん坊がおしっこする無様な姿で吊るされた女教師が、教え子の指の動き一つに泣きじゃくり、ひいひいと呻くのにもはや会場は声もなく今か今かと25歳の生意気教師が恥を晒すのを見守るのだ。
「さ、先生。言っちゃうんでしょ? 恥ずかしがらずに、ね?」
 耳に息を吹きかけ、耳たぶを甘噛し、嫌々を繰り返す担任を誘導する菊丸も親父たち以上に興奮している。この愛らしくも生意気で意地っ張りの女教師が下品極まる酔客たちの前で、もう少しで屈するのだ。
「いやっ、嫌っ、菊丸ッ、菊丸うぅっ! あ、あ、あっ、い、言っちゃ‥うっ、ねえ、わたし駄目ッ! 菊丸くんッ!」
 桂木先生が肩越しに振り向き訴えるように教え子を見つめるのに、菊丸はウンウンと頷き「そうじゃないでしょ?」と残酷に突き放す。
「‥っ、あ、あっ! お、お客様ッ、慶子、もう駄目ッ、駄目なんですっ!」
 もうどうにもならないと悟ったのか、慶子は一瞬教え子を恨みがましく睨みつけると、すぐ正面に集まるいやらしい男たちに向かい敗北宣言を口にしてしまっていた。
「なにが駄目なんじゃ~」
「そうじゃそうじゃ、駄目駄目ってなにが駄目なのわからんぞ~」
「はっきり言ってみるんじゃー」
 そんな孫娘ほどの年若い女教師に、酔いも手伝って親父たちはなおも厳しく追い立ててくる。
「えへへ、そうですよ~。先生なんだしもっとわかりやすくきちんと説明しないと♪」
「き、きくまる‥ぅッ!」
 ここまできてまだ辱めようとする教え子に、殺意さえ滲ませた視線を向けても窄まりに突き立つ指がそんな生意気を許してはくれなかった。
「あぁっ、あ、あ! や、やめっ、‥い、言いますッ! だから、もうやめっ、ああぁっン!」
「ほれほれ、はよ言ってみい」
「今さら恥ずかしがることなかろう」
「どうせ、まーた菊丸くんじゃろが」
 愛らしく泣きじゃくる女教師に都会への劣等感を剥き出しにからかわれ、それでも桂木先生は教え子の指の動きに堪えきれず。
「け、慶子っ、お尻に指を挿れられて‥っ、あ、あッ、狂っちゃ‥、ぅっ、あ、や、き、菊丸くんっ、あンッ、菊丸くんっ! わたし、お尻、あ、あ、いやっ‥‥‥~~~~~~~~~~~~!!」
 ガクガクと無様な赤ん坊おしっこ姿で宙に吊られる女教師が会場中に凄まじい悲鳴を響き渡らせた。
 M字型に開いた両脚がピーンと突っ張り、爪先がキュウっときつく丸まり、腰を激しく突き動かし続け。
 男たちに菊の蕾が教え子の指をこれでもかと喰い締める様を見せつける。
「す、すごいのお、都会の先生様はお尻でも感じるのか」
「菊丸くんの仕込みじゃのお」
「うむ、聞いたじゃろ? 最後まで菊丸くんじゃったわ」
 これほど美しく知性溢れる都会の女教師が晒す無様さ、そしてここまで年上の女教師を躾けた菊丸に賛辞を送る親父たち。
「いやあ、それほどでも」
 普段は褒められることもない問題児はすっかり気を良くし、いまだブルブルと慄える女教師に「さ、お客様にサービスですよ♪」と再びの蕾責めを始めるのだ。
「そ、そんな‥っ、わたしもうっ、あ、あっ、いやっ、いやよっ! ああっ」
 燻っていた火種はすぐさま燃え上がり、可憐な女教師は汗にヌラヌラと光る菊蕾をまたキュウっと締め付け、教え子の指一つに翻弄されてしまう。
「な、なんじゃあっ?! まだ慶子ちゃんはいけるのか?」
「ううむ、さすがは都会の先生様じゃ。一度や二度じゃ満足せんということか」
「菊丸くんも容赦ないのお。‥うん?」
 さすがに可哀想かと思ってみれば、この娘ときたらもう腰を前後させて可愛い悲鳴を上げているのだ。
「あっ、あっ! き、菊丸くんっ、だめっ、慶子、ダメッ、お願い、また‥」
「はいはい。もう我慢しないで言っちゃってくださいね~♪」
 汗を潤滑油に菊蕾を蹂躙するように激しく指を前後させ、親父たちへと声を掛ける。
「さあお客さん、本日2度目の慶子嬢の可愛い声をお聞きください!」
「き、菊丸っ、ど、どこまでわたしを‥ッ! あ、あ、やっ、やぁあんっ!」
「言っちゃうんでしょ? ほら、早く♪」
「い、言っちゃ‥うっ! お、お客様っ‥慶子、また‥言っちゃいますッ!」
 つい今しがた恥を晒したばかりの美人教師は恥知らずにも、もう赤ん坊のおしっこ姿を息ませて「っ~~~~~~~~~~~~~~~!」と前身を仰け反らせた。
「は、早すぎじゃあ」
「ううむ。都会は怖いところじゃのお」
「慶子ちゃんがだらしないだけじゃろ」
 あまりに贅沢な酒の肴に酔も進んでもう女教師を心配する声もなく、どころか「ほれまだまだ満足せんじゃろ」「そうじゃそうじゃ、もっと楽しませておくれ」「菊丸くん、頼んだよ」などと声が飛ぶのである。
「えへへ、お客様もああ言ってますからね、セ~ンセ♪」
「そ、そんなっ、お願い、許してっ! 慶子、壊れちゃう‥ッ」
 担任の泣き言など聞き流し、菊丸の方が指の壊れる心配をされるまで新しい腹踊りは続くのだった。

「いやっ、もういやっ! 菊丸くん、許してっ!」
 あれから二時間、宙吊りから解放された慶子は今度は宴会場の中心で胡座をかいた菊丸に跨がらされ、乾布摩擦に菊蕾の躾とを受けさせられていた。
「なに言ってるんですか。許すのはぼくじゃなくてお客様でしょ」
 眼の前で美しい眉を歪ませ眉間に皺を寄せ、半狂乱に泣き喚く担任の見当違いを窘める。
「ううむ、許してやりたいが菊丸流の腹踊りは踊れそうかのぉ、菊丸くん」
「う~ん、まだ締め付けが足りないですねえ。あと二時間は躾けてあげないと」
「そりゃ参ったのぉ。慶子ちゃん、あと二時間だそうじゃ」
 ニマニマといやらしい笑みを貼り付けながら、いかにも困ったというやり取りを続ける菊丸と親父たち。
「そ、そんなの無理ですっ! お願いします、慶子、こ、壊れちゃう‥っ」
「でへ、先生ならこのまま朝までだって平気ですってば。それじゃお客様の方針もあるし、このまま続けますね、セ~ンセ♪」
「い、イヤッ! あ、あっ、菊丸っ、きくまるううっ!」
 両腕を縛る縄は解かれ、自由になった腕が背中へ回り教え子の浴衣に爪を立てる。そして長い両脚も教え子の胴に絡ませてギュウっとしがみつくのだ。
(二時間ですむわけないでしょ♪ このまま朝まで可愛がってあげますからね~)
 可愛くてたまらない担任教師にしがみつかれ、苦悶にも似た表情を浮かべるのを優しく見守りつつ、窄まりを責める指をまたグリグリと捩じ込んでやりながら、とんでもないことを考えている。
 まだ時刻は23時を過ぎたばかり。せっかくの大義名分なのだから有効活用しなければと罰が当たるというものだ。
 そんな菊丸の思惑に気付いたのか、親父たちも長試合に備えようと銘々好きに酌を進めながら、都会の女教師の狂態を眺めるのだ。
「あっ、あっ、あ! だめっ、だめぇっ! き、菊丸っ‥、慶子、またっ!」
 グリグリと窄まりを中指に抉られてしばらく、教え子にしがみついたまま慶子が甲高い叫びを上げた。
「また、じゃないでしょ、まったくもう。少しは我慢しなきゃ」
「だ、だって‥、こ、こんなのっ! ああっ、あ、あ! きく、ま‥るぅ‥っ」
 そんなやり取りさえ続けられず、慶子は教え子の指をきつく喰い締め、ブルブルっと膝上で摩擦してしまう。
 もう周囲の宴会客のことなど頭になく、教え子に頬を擦り寄せて「あ、あっ」と舌っ足らずに悲鳴を漏らし続けるのである。
 そんな慶子の頭を優しく撫でる菊丸。
(ほんっと可愛いったら♪)
 ハァハァと肩を喘がせしがみつく慶子を見つめる親父たちの羨望の眼差しが心地よい。
 とはいえ、特訓は特訓である。
「さ、休んでる暇なんでないですよ。もう一度最初から始めますからね♪」
「さ、最初からなんて‥。お、お願い、少しでいいの。休ませて‥」
 血の気の引いた顔で訴える女教師に良心が痛むが、お客を楽しませることこそ優先させなければならない以上、心を鬼にするしかない。
「ちゃんとこっちも一曲分我慢できれば休ませてあげますよ。大丈夫ですって、先生ならあと十回は余裕ですよん♪」
「ああンっ! じゅ、十回なんて無理よっ、お尻がどうかなっちゃう! あ、あ、いやっ、いやあっ!」
 我儘ばかりの担任を相手にするのも無駄と、菊丸は窄まりに突き入れたままの指を前後へ動かし始める。
「ほらほら、締め付けが足りませんよ?」
「あっ、あ、あ~~~~~~~っ!」
 グリグリと指が回転し、そこから電流が背筋を沿って女教師の脳でバチバチと走り抜ける感覚に仰け反り喘ぐ。
「おっと、こっちも忘れずに、と」
 今度は乾布摩擦で大事なところを擦り上げられ、汗に濡れた髪をざっくりと乱して教え子にしがみつき「い、いやぁあっ」と泣き喚く。
「菊丸くんも容赦がないのお」
「慶子ちゃんが可愛すぎるのが悪いんじゃ」
「うむ、わしも慶子ちゃんなら一晩中可愛がってやるわ」
「なにを言ってるんじゃ、おぬしらなら二晩は寝かさんじゃろうに」
 酒も進み、いよいよ品性の欠片もない下世話さは、しかし菊丸への羨みを隠すためもあるのだろう。
 田舎育ちではお目にかかれない美女を手玉に取り、こうして見世物にする孫のような年頃の少年の手管に圧倒されるばかりだ。
「お、慶子ちゃんがまた我慢できんようじゃぞ」
「早いのお。こりゃ菊丸くんが言うように十回なんぞあっという間じゃな」
「ほれ、慶子ちゃん。いつものはどうした?」
「言っちゃうんじゃろ。きくまるく~んじゃ」
 ゲラゲラと酔客のからかう声が耳に届き、美貌を怒りと羞恥。屈辱とに朱に染め上げギリと歯を鳴らすも、悔しいことに親父たちの言う通り、もう限界だった。
 顔を真赤にしてからかわれたとおりに、教え子の名前を泣き叫んでしまうのだ。
「あ、‥ぅっ! い、いやっ、き、きくまるうっ!」
「もうですかあ。休みたいんじゃないんですか~♪」
「くっ、う、あっ、だめ、駄目なのっ! あ、あンっ、菊丸っ、慶子、また‥っ、~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 教え子の指を喰い締め、親父たちを楽しませながら慶子は早々と菊丸が予想した最初の恥を晒してしまう。
(でへ。ほんとに十回なんてすぐですなあ。せっかくだし今日は新記録を目指しますか♪)
 キュウっと指を締め付ける窄まりの感触を心地よく味わいながら、眉を顰めきつく瞼を閉じて泣き喚く担任の愛らしさを堪能する。
 何度見ても飽きないその表情。
 親父たちに見せるのはもったいないとは思いつつ、この最高のオモチャを自慢したい気持ちが上回るのだ。
「可愛いですよん、先生♪ 今日は十回なんて言わず、百回だって可愛がってあげますからね」
「そ、そんな‥っ、あ、あっ! や、やぁんっ、いやあっん! 菊丸っ、わたしまたっ、あ、あ、きくまるうぅっ!」
 教え子からの宣告に煽られ、慶子はたちまち予告から二度目の頂へ登りつめる。

 こうしてまた菊丸流腹踊り指導は続いてゆくのであった。 

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