ハートキャッチいずみちゃん SS_17

小説管理人作品
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「危険な新型マッサージ器発表会!?の巻」


こんにちは。
わたしたち、今日はお父さんの会社で作った新型のマッサージ器の発表会に来ているんです。
美容にもいいって言ってたから来てみたんだけど‥

「うわっ、すっごい格好してるなぁ、あれじゃ見えちゃうよ」
「もうきょろきょろしないの、ほんとにエッチなんだからっ!」
 そうなんです。

 どういうわけか菊丸くんも一緒なの。この発表会は女性向けだっていうのに。
 どうやらお目当てはコンパニオンのようなんだけど、全くどこに行っても変わらないんだから。
 ‥それにしても‥確かにすごい衣装ね。
 菊丸が興奮しているようにコンパニオンの衣装は、いかにも人の注目を集めやすいように扇情的な装いだった。
 大きく開かれた胸元。短いスカートはちょっと屈めば下着が見えてしまいそうな長さ。
 いずみでなくとも躊躇する格好である。
「だいたいなんで菊丸くんがここにいるのよ。わたしは千春を誘ったのに」
「だって千春ちゃんが用事で行けないって言うんだし、せっかくの招待券を余らせたら勿体無いじゃないか」
 いずみの詰問に口を尖らせて答える菊丸。仲間外れにされた事が気に入らないようだ。そんな菊丸に追い討ちをかけるように「菊丸くんには美容マッサージなんて必要ないじゃない」と、いずみは時折見せるきつさで両断する。

「ひ、ひどい‥ぼくはただ千春ちゃんにどんなマッサージ器か教えようと思っただけなのに」
 きつい一言にわざとらしく2、3歩後に下がる菊丸だったが、その時背後で軽い悲鳴と、がしゃん、という何かが倒れる音とが聞こえてきた。
 驚いて振り向いた菊丸の目に飛び込んできたのは、先ほど話題に上ったコンパニオンの姿と、床に散らばった何かの機械の残骸だった。
「す、すみません、大丈夫ですか?」
「ど、どうしよう‥、マッサージ器が壊れちゃったぁ!」
 慌てて駆け寄って、詫びを入れる菊丸の言葉も耳に入らないように、コンパニオンは床に飛び散っている残骸を見つめてオロオロとしている。
 その台詞を聞いて驚くしかないいずみと菊丸。
「ええっ! その機械が今日発表のマッサージ器だったんですかっ!?」
「は、はい。わたしが運ぶように頼まれてて‥でもどうしよう、機械を壊したなんて言ったら今日の発表会が中止になっちゃう」

続きはfantiaから

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