「菊丸式、物の怪退治法?!の巻」
こんにちは。
いまわたしたちは修学旅行の真っ最中。
ところが菊丸くんが迷子になっちゃって‥
「ふへー、ふっるいお寺」
「こら、菊丸くん。失礼なこと言わないの」
目の前の寂れ‥趣のあるお寺を前にして正直な感想を漏らす菊丸に、引率者の桂木先生は渋い顔だ。なにしろその寺の住職が目の前にいるのだから。
「いえいえ、いいんですよ。確かに古いだけが取り柄の場所ですからね」
そんな二人に柔和な顔をした住職が気に留めた様子も見せずにとりなしてくる。
「あ、すいません、住職様」
「それにしてもこんな古寺にわざわざ足を運んでくださるとは、ありがたいことです」
「いえ、そんな‥」
深々と頭を下げる住職に逆に恐縮してしまう。じつはこの名もない寺に二人がいるのは菊丸が道を間違えたのを引率の慶子が迎えにきただけなのだ。
しかし、こう頭を下げられてしまっては何も見ずに帰るとも言えず、桂木先生は菊丸と二人、この古寺を見学することになるのだった。
「もう‥菊丸くんのせいでみんなのところに遅れちゃうじゃないの‥!」
「まぁまぁ、せっかくだし、ありがたいお話でも聞いて帰りましょうよ」
寺の来歴などを説明しながら先導する住職の後ろで、声を潜める二人。一応、事情は携帯電話で伝えているから心配ないとはいえ、引率の自分が団体行動を乱しているのだから、桂木先生の憤慨は当然だ。菊丸はといえば責任など感じていない風で飄々と受け流している。
「ん、どうかされましたかな?」
「あ、いえっ、なんでもないんです!」
後ろを振り返ってきた住職にブンブンと首を振るしかない女教師であった。
境内を一通り見て回り、本堂にまで案内されたところで住職が一服しましょうと場を離れると、二人は顔を見合わせ、深いため息をつく。
「まさか、こんなに長いなんて」
「どうしましょう。もうこんな時間」
案内の最中、何度か暇をしようとしたのだが、よほど暇なのか巧みに話を逸らされて今の今まで菊丸と桂木先生は捉まってしまっていたのだ。
「先生。住職さんには悪いけど、この辺で戻っちゃおうよ」
「でも、そんな失礼なこと‥」
最初のうちはデート気分を楽しんでいた菊丸も興味もない寺の来歴を聞かされ続けて堪らなくなったらしい。
菊丸の提案に桂木先生は二の足を踏む。そもそもこちらの手違いから案内させてしまっているのに、いきなり消えてしまうなど出来ようはずもない。
「そんなこと言ったって、戻ってきたらまたお寺を歩かされちゃうよ」
「‥そうね、住職様には悪いけれど、黙って帰らせてもらいましょう」
しばらく考え込んでいた桂木先生だが、菊丸の一言に踏ん切りがついたのかここを後にすることに決めるのだった。
「うん、先生。ここから出れそうだよ」
住職と顔を合わせないようにと逆方向に歩いてみたのは良かったが、今度はどこをどうででればいいのかわからず、当てずっぽうに歩いて出口を捜していたのだ。と、襖を開けてみればそこは少し広めの仏間で、出口どころか行き止まりになっている。
「もう! ぜんぜん出られないじゃないの。これじゃ住職様のお話を聞いてた方が早かったわ」
菊丸の案内に任せていた桂木先生だが、何度も道を違えては行きつ戻りつを繰り返されてついに不満が爆発する。
続きはfantiaから
コメント
素晴らしい作品にお世話になりっぱなしで、誠にありがとうござます。
午前中はどんなことになるのやら。
残りの修学旅行での「躾」楽しみです。
>楽々た~いむさん
あ、見つけましたか。
楽しんでいただけたようで何より。
気が向いたときにまた続きは書くと思います。
悪戯計画って「いたずら」の意味が違うなあ。w
いやはやすごいですね。
>Maxwellさん
答えを言っちゃあかんwww
数ある慶子先生のエピソードでもこの1話が一番好きです。
更にエスカレートするのでしょうか?
楽しみに待ってます。
>catさん
気に入っていただけて何よりです。
6日目に入って後は最終日を残すのみですので、多分もう続かないのではないかと。
その時の気分で書いているもので、確約ががが
悪戯計画の加筆修正ありがとうございます!やはりこの数珠パンティは最強です!更に内容が濃ゆくなりましたね。師匠、今回も勉強になりました!w
>コォコォさん
似たような下着、普通に売ってるんですよね。
人間の妄想力は果てがないなあ。