二次創作 あれやこれや

 みなみさんから戴いた二次創作を受けて自分の二次創作についてあれやこれやと書いてみました。

二次創作あれやこれや

 いずみちゃんに限定した二次創作についての管理人覚書

 二次創作。
 二次とあるように原作を一次として基にする創作物で、いやらしい話、著作権的に突っ込みだすといろいろ面倒なファンによるファンのための、いや、原作ファンの自分による自分のための自己満足小説(漫画)であります。

 作風としておおまかに分けると原作の世界観をそのままに書くものと、名前を借りて別物ともいえる世界観に作りかえてしまうものとをよく見かけると思います。
 仮に前部を脚本型、後部を監督型と称しておくことにします。

 虎馬屋は某先生と菊丸の関係性において異論もあるかと思いますが、一応原作準拠の脚本型という気持ちで書いております。

 さて。
 世界そのものを作り上げなければいけない一次創作と違い、二次創作での苦労などと言ったらそれこそお話を考えるだけ、であり、およそ通り一遍の創作活動の中で最も入りやすい代物と思っています。
 なにせあらかじめ舞台は用意してあるので、講談高校と書けばいずみたちの通っている高校と理解してくれますし、そこに男女共学であるとか制服ではなく私服であるとか、諸々の説明をしなくていいのですからこんなに楽なことはありません。まぁ実際はハートキャッチ自体にろくな舞台説明が成されていないのでのではありますが。
 これはキャラクターについても同じでいずみちゃんと書けばそれだけで心を読めるという特殊な能力を持った高校生の黒髪美少女であると描いてくれて、そこに細かい容姿や性格の説明を書かずに済むわけです。

 しかも書かなければいけないお話についても、原作がお手本として存在しているのですから、これに沿ったものを書けばいいだけで(もちろん書きたいものがあるのならそれを書けばいいので)どう書けば、などと悩む必要もないわけです。

 特に、こといずみちゃんやそれに類するエッチ漫画の場合、基本的に一話完結でそこに凝った仕掛けはほとんどなく、大体の場合決まりきった一種の様式美のような展開でお話が成り立っています。

 例に挙げればいずみちゃんたちが旅行に行く、旅行先で問題が起こり、菊丸が解決策を提示し、いずみちゃんたちがそれに従う。といった流れです。
 べつに旅行にこだわることはありませんが、基本の流れは菊丸がいずみちゃんたちが逃げられないような状況を用意して悪戯するといったものになっています。

 〇温泉に出かけたいずみたち
 〇旅館に置いてあった彫像を壊してしまう
 〇よく見ればいずみに似ている彫像を見た菊丸が「ぼくにまかせて」と決め台詞
 〇いずみを裸にさせて彫像に似せるために肌に色を塗る
 〇一度は誤魔化せたが完璧主義の菊丸がパンティーを脱がせて色を塗ろうとしたところで彫像の欠片が捨ててあるのを発見される
 〇お仕置き

 とお話の流れ自体はこんな感じで奇をてらわなければものの五分で考え付くと思われます。

 問題はこれをどう書くか、なのですが、これも実際のところ書いてしまえば「あ、そんなに悩むこともなかったわ」といったものだとは思うのですが、問題として一つ。
 これが二次創作であるという点です。

 一次創作、あるいは二次創作であっても監督型のように執筆者の一存で世界観を作っているようなものは好き勝手に書けばいいのですが(受け入れるかは別問題)公開を前提とした場合の脚本型は原作を下敷きに他の読者が読むことも考えなければなりません。

 つまり世界観を大きく崩さない事と登場人物を大きく変えない事の二点を念頭に入れてお話を作らなければいけないわけです。

 先に言っていたことと矛盾してしまいますが、二次創作の簡単で難しいところがこの部分になるのは多分書かれれば誰もが納得するところではないかと思います。

 例えば相手への呼び方一つとっても、菊丸がいずみちゃんのことを「いずみ」などと呼び捨てているような作品があったとして、それに違和感を覚えない読者はいないと思います。同様にいずみが菊丸を日常部分で菊丸と呼び捨ていても同じです。

 つまり二次創作の肝は違和感を覚えさせない事、だと管理人は考えています。

 読み返して、この場面でこの人物がこうした発言や行動はしないだろうという気持ちになればそこをもう一度考え直し潰してゆく。
 逆にここではこうした行動を取るだろう、こういう台詞を口にするだろうと書きだしてゆく。
 これだけで二次創作は完成します。

 嘘じゃないです。
 本当にこれだけです。
 ただ原作を読み込んで台詞の一つを抜き出してゆけば、そのキャラクターの癖もわかってゆきますし、なんとその台詞を書くだけで一行埋まってしまうのですから。

 ちなみに虎馬屋での菊丸はことあるごとに「でへ」などと言わせていますが、原作での使用率はそれほど高くないことにずいぶんあとになって気付きました。

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コメント

  1. かめ より:

    管理人様

    いつも楽しく拝読させて頂いております。
    作品を生み出すことは大変なことなのですね。

    読者の作品に対する思い入れはそれぞれ異なり、
    表現にも限度があるという…。

    菊丸君や桂木先生が暴走(いずみちゃんはほんの時々ですが、)する範囲にも、
    限度があるということですね。

    虎馬屋に訪れるたくさんの読者の方々に愛される作品を
    これからも長く拝読させてください。

    お身体に気を付けて。
    いつもお世話になります。楽しみにしています。

    綺羅先生、千草先生、団先生などに影響された私は……。^^

    • 虎馬屋@管理人虎馬屋@管理人 より:

      >>かめさん

      ありがとうございます。
      わらくし、多分いずみちゃんに関してはこれから先も書き続けてゆくのだと思います。

      いやあ御三家ですよねえ、うん。
      最近は御前零士先生が好きです。

  2. みなみ より:

    非常に良い考察ですね
    さしずめ私は監督型になるのでしょうか^^
    ただ私も世界観を作り変えるわけではなくチョイ足しするイメージでやっているつもりです。あくまでもその後の世界は変えないように、原作と同じ日常には戻っているように心がけました。今回は多少暴走しましたが^^;
    これには小説という媒体のもつ構造上の特徴があると思うのです。
    マンガなら、例えばカレーを食べるシーンがあるとして、そのままカレーを食べている絵を描けばいいのですが、小説では「彼はカレーを口に運んだ」などと説明しなければならないのです。そのせいでついつい説明が長くなったりよけいな事まで書いてしまう。
    コレ、逆手に取れば書いたことが全部簡単に現実になってしまう利点と恐ろしさを秘めているんですよね。しかも管理人さんの言うとおり「いずみ」と書くだけで読者の脳内には原作のいずみちゃんがそのまま再現されてしまう。「いずみが百人いる」って書けば百人いることになってしまうし空を飛ばすこともできる。だからこその「いかに原作から逸脱せずにHCを二次創作するか」だとは、思うのです。
    思いっきりSFの世界観をぶち込んでおいてなんですが!^^
    やはり菊丸は「いずみちゃん」と呼ぶ。いずみは「菊丸くん」と呼ぶ。などは気をつけなければいけないですね。
    私もマンガを描くとしたら脚本型ですが、小説だとそういった理由で監督型になるのだと思います。で、つい暴走してしまうんですよね。
    最後のバトルシーンでも刺客が菊丸の責めで自滅するだけだと思っていたらいずみちゃんがよけいなことをしたので快感のハウリングなど起こしてしまい、書きながら「うわあ‥‥どうなるのこれ」などと心配になりました。それでもどこまで逸脱せずにいけるか。つまりラストで世界を何事もなかった時のように戻せるか。やってみたくなるのです。

    支離滅裂な上に長文で申し訳ありません。

    考察は楽しいですね。こんな話題で何杯でも呑めます^^

    • 虎馬屋@管理人虎馬屋@管理人 より:

      >>みなみさん

      あくまで私見ではありますが、脚本型は監督からの要請で書かかれる下請けのようなものと見ていて、これは監督はつまるところ原作者であり読者でもあります。
      なので基本的にそうした無言の意思表示から外れないように型通りに作らざるをえない。
      対して監督型は原作者であり読者でもある視点に立てるので、好き放題に作品を構築し得る代わりにみなみさんの言う暴走しがちな面もあるかなと。

      自分の最近の作風はこの辺りどうにも願望というか妄想が暴走し過ぎて自分自身に設けている枷が機能していないのが困りものですが。

      で、小説の場合は見栄えを良くしようとするあまり、過剰になってしまう側面もあろうかと思います。
      みなみさんが仰る構造上の問題でしょうか。
      黒子に徹すればいいのですが、どうしても味付けを濃くしてしまう。漫画だと(あくまで二次創作では)原作に似せた絵柄とコマ割り、構成を意識することで抑えられる部分なのでしょう。まあ猛威を振るうエロ同人の場合はこの限りではありませんが。

      どちらがどう優れているわけでもなく書きたいものを書けばいいのが二次創作の面白さではありますね。