「ドッキン はらおどり!! 桂木先生編の巻」

あら、あれはいずみちゃんと、菊丸くん?
昼休み。
学食へ向かおうとする生徒たちで賑わう校内。そんな中、一組の男女の激しく言い争う姿に目を向ければ自身の教え子であり馴染みの深い原田いずみと明智菊丸の二人と気付く。
「そんな~いずみちゃん、そりゃないよ」
「知らないわよ、あんたが勝手に引き受けたんだから自分で責任取りなさいっ!」
揉め事はいつものことだが、今日のいずみは取り付く島もなくすがりつこうとする菊丸を置いて、さっさと教室へと戻ってしまう。
「う~ん、まいったなあ。料理長になんて言おう」
「見てたわよ菊丸くん。いったいどうしたっていうのよ?」
一人取り残されガックリと肩を落として項垂れる菊丸に、担任として廊下で騒いでいたのを放っても置けず声をかけたのが桂木慶子である。
「あ、先生。いや、じつはですね‥」
「なるほどねえ」
一頻り事情を聞いて頷く女教師。
なんでも以前にバイトをした旅館から人手が足りず声をかけられたのだが、勝手に引き受けてしまった菊丸にいずみが腹を立てたということらしい。
「それにしてもいずみちゃんならそのくらい引き受けてると思うけど」
あの女生徒なら困った相手を見捨てるわけはないだろうという疑問に、
「あ~、それがその。ただのバイトじゃなくって料理長の腹踊りの代役なんです」
「腹踊りって、あの腹踊り?」
「はい」
「それは確かに女の子は嫌がるわよねえ」
実際に見たことはないがテレビなどで見聞きする滑稽な踊りが脳裏に浮かび、年頃の女の子が演じるには尻込みするのは当然だろうと合点がいった。
「それにしたって、どうしていずみちゃんに腹踊りなんて‥」
「あ、それは‥」
桂木先生の疑問に答える菊丸の話では、バイト中にいずみのせいで腰を悪くした料理長の代わりということで、急遽いずみが腹踊りを披露することになり、その時の宴会客が是非にと予約を入れてきたというのだ。
「料理長は宴会客はお得意さんで断れないっていうし、どうしていいか‥」
深刻そうに俯く菊丸は相手への不義理に本気で悩んでいるようだ。
(しょうがないわねえ)
その様子にほだされてしまう桂木先生も相当のお人好しである。
「それ、わたしでもかまわないかしら?」
「え、ええ?! まさか先生が代わってくれるんですか!」
「ウチの生徒のせいで旅館に迷惑をかけるわけにもいかないし、いずみちゃんに強要するわけにもいかないでしょ?」
「そりゃそうだけど、ほんとにいいんですか? 腹踊りですよ?」
さすがに菊丸もうら若い女教師に宴会芸をさせるのは躊躇われるのか、何度も聞き返すのである。
「そりゃ抵抗はあるけどしょうがないでしょ。それより先方にわたしでいいのか、ちゃんと確認をとってちょうだいね?」
「大丈夫ですよ、先生なら料理長だって断るわけないですって!」
「ふふ、それならいいけどね。じゃあ、また連絡してちょうだい、菊丸くん」
いつもの悪戯や打算ではなく、困っている料理長を助けようとする菊丸に朗らかに笑いかけるのだった。
そして迎えたバイトの日。
「久しぶりです、料理長さん」
「いや~、助かったよ、菊丸くん。馴染みの客がどうしてもって聞かなくってねえ。それで、その、そちらの女性が?」
「ええ、電話で話したぼくたちの担任の桂木慶子先生」
でっぷり太ったまさに腹踊り向きの体格の中年親父が申し訳なさそうに二人を出迎え、菊丸の傍らに立つ桂木先生へと視線を向けるのに慶子が「始めまして」と頭を下げる。
「その至らないところもあると思いますが、いずみちゃんの代わりになれればと」
「いやいや、とんでもない。先生ならこちらも大歓迎だ!」
まさかこれほどの美女だとは思っていなかったのだろう。喜色満面の笑みを浮かべ、自らの魂の芸たる腹踊りを演じてくれる桂木先生を快く迎えてくれる。
「宴会は明日の夜だから二人はそれまでウチでゆっくりしてください。料理の方は期待してくださっていいですよ」
なるほど、そうして通された部屋と料理は料理長の言葉通り、大したもので菊丸も桂木先生もつかの間の小旅行をじっくり楽しんだのであった。
続きはfantiaから
コメント
すごいことになっています!
いやはや、すばらしいですね。w
次は狂宴、いや共演かなあ。ww
>Maxwellさん
性癖全開っ!
碇シンジくん風に、かっこよく言ってみました。
傑作ですね。
なんかいつもと少し違った雰囲気の新鮮な展開ですごく楽しかったです。
やっぱり虎馬屋さんの作品はどんな官能小説より好きですね。
>コォコォさん
今回は番外編の番外みたいな二次創作としてはやってはあかんやろ。ってな感じになってしまいました。
修学旅行後のあれもそうですが、人様の作品に刺激されたあとだと、どうにも暴走が止まらないようです。
なににしましても気に入ってもらえたようでよかったです。
非常に興奮しました。ありがとうございます。
パスワードがわかったのが自分でも不思議です。
>まこっちゃんさん
興奮してくれましたか。よかったです。
パス、よくわかりましたね。
いまさらそういや、あんま言及してなかったな、と後悔していたのですが。
楽しく読ませていただきました。ハートキャッチは魅力的な女性がたくさんいるし、一人一人感じ方も違うので同じ状況でも違う反応が楽しめて良かったです。先生と翌朝までなにをしてたのか気になりますね。
>匿名得雄さん
楽しんでいただけてよかったです。
翌朝までナニをしていたんでしょう。管理人も気になります。
魅力的なゲストキャラは多いのですが、そのほとんどは路線変更前なのが悲しいですね。
何だかんだ言ってもパスのヒントをくれる管理人さんいい人ですね(^^ゞ
今回の作品いままでと違った感じで僕的には大満足でした(^-^)/
>通りすがりのファンさん
あー、別にヒントのつもりで書いたわけではなく(というかこれまでの言動こそがヒントですし。
もうヒント云々を書くつもりもありません。
今回や最近の自身の書いたものがどうにも尖りすぎていかんなあ、というそれです。
実際星は5個じゃ足りないですよ。
いやいや、今作みたいなのはもうドンドン書いて戴きたいですよ。管理人さんが刺激されて書いてしまうなら、僕はもっと頑張りますw
縄、今までまるで興味なかったのですが、今作をきっかけに大変興味を持つようになりましたw先生も悦んでますねw
>コォコォさん
過分な評価、ありがとうございます。
縄化粧自体は管理人もあまし興味ないのですが、それで恥ずかしがる先生を書くのが好きです(注、管理人はド変態。
コォコォさんの投稿を心よりお待ちしております。
素晴らしいです。
やはり「もしもあの回が誰々だったら・・」というのは二次創作の基本のような気がします。
その点でも今回は多くの人が待っていた「if」だったのではないでしょうか。
二度目がすごいことになりそうですね^^
楽しかったです。
>みなみさん
二次創作はやはりこの精神ですよね。
ああ、if~then とかBASIC言語時代が懐かしい。
もう、先生は完全に求めちゃってますね。
次回もなんだかんだで、行ってしまうのでしょう…
個人的には、先生にもう少し頑張ってもらいたいです。
色々な意味で…
>匿名希望さん
先生、もうちっと頑張ります。
色んな意味で。
初めまして
何年も前からブクマしていますが、コメントは初めてです^^;
先生が人前でも痴態を晒してしまっているのがとてもいいですねー
原作からちょっとはみ出して、実は裏ではこれくらいはされてるだろうなーというラインを攻める二次創作の醍醐味が存分に発揮されてますね
>テハさん
コメントありがとうございます。
二次創作、お褒めいただき嬉しいです。
これぐらいをどの辺りで線引きするかでついやりすぎてしまいます。困ったものです。
加筆ありがとうございます。桂木先生の42回は新記録ではないでしょうか。原作では乾布摩擦で失神昇天した姿からは考えられない持久力を付けたようですね。その方が菊丸もやりがいを感じるのではないでしょうか。縄ですが丈夫な物をお願いします、切れて御開帳も楽しみですが菊丸が見れないと可哀想です。
吾作どん元気になってよかったですね、助平じじい長生きしそうです。
>匿名得雄さん
新記録ですねえ。
完全にイキ癖ついちゃってますね。
特訓♪特訓♪特訓~~~♪
ふんふんふ~ん♪♪♪ww
やはりプロとして仕事するからには人生どこかで猛特訓が必要です。
この回はより良き大人になるための1つのテキストとして、是非周りの子供達に紹介しないといけませんね。
>コォコォさん
特訓。いい響きだ。
やっぱり大岩を崖から落とすのは定番ですね。
冷静に考えてなんの意味があるかわかりませんが。
管理人様はやはり菊門責めお好きですね〜。それに衆人環視のもとってのも羞恥心を刺激しまくじゃありませんか。すでに界隈では絶世の痴女 と噂されてるんじゃないんでしょうか(笑)
>シャーロックさん
ちゃうねん。
菊責めは好きは好きだけど、それが好きなわけでなくそういうことをされて屈辱を感じる女性陣が好きやねん。
言い訳。
ド痴女ですよ。