「アスレチックで危機一髪!の巻」

わたしたち、今日はアスレチック会場に遊びにきてるの。
新しく出来たばかりで、招待券を菊丸くんが貰ったんです。
「うわあ、すごく広いのね。今日一日でまわりきれるかしら」
入場口を潜っての第一声が、目の前に広がる広大な敷地への感想だった。
過疎化の進む町が一念発起して作り上げただけに、なかなかの出来具合であった。
「うん、こんなに広いとはぼくも思わなかったよ」
隣の菊丸もその広さの前に、呆然としている。都心に近いアミューズメントパークであれば、敷地内にある建物や、人の多さでどれほど広くとも、ある程度の狭さを感じさせるが、さすがにそれだけの資金はないらしく、あくまでも広い敷地に自然資材を利用した遊具の数々。
休日を利用した家族連れがほとんどで、菊丸たちのような高校生が遊びに来るところではなかった。
と言っても、いずみも落胆をしているわけではない。
日頃の運動不足を解消するにはちょうど良いところだったし、自然に触れ合えるのも相まって菊丸の誘いは渡りに船だった。
さっそく千春にリンダと一緒に今回の遊行となったわけである。
誘った当の本人はといえば、目の前の風景よりも三人娘のおいしそうな肢体に目を奪われっぱなしであった。
三人ともブルマー姿での登場で、家族連れの父親の目を楽しませている。
いずみはいかにも運動神経のよさそうなスラリとした両脚を惜しげもなく見せ、千春はといえば、柔らかそうな白い太股を太陽の下に晒している。
さすがにリンダは腰の高さからして、一線を画してスタイルの良さを見せ付けていた。
(うぷぷ~三人とも、ぼくの言ったとおりブルマーで来てくれたんだあ。うんうん、やっぱり運動するなら体操着姿でないとねえ)
三人の格好は菊丸の指示のようだ。確かにアスレチックに来るのだから普段着のままというわけにはいかないが、最近では死滅しているブルマーを着せる手腕はさすがに菊丸だった。
そんな菊丸、いや、周りの男たちの視線に気づいたいずみは背後で自分を見つめる菊丸へと、キッときつい視線を差し向ける。
「‥ちょっと、菊丸くん。菊丸くんの言うとおりブルマー着てきたけど、わたしたちのほかに着てる人なんていないじゃないの?!」
確かに見回してみれば、女性客のほとんどはスパッツというか短パンを穿いていて、いずみたちのようにブルマーを穿いている者などいなかった。
こうなると自分たちだけが生脚を剥き出しの状態なのが恥ずかしくなってきてしまう。
「あら、いいじゃない、いずみ。動きやすいんだから」
「オゥ、ソウネ。ワタシタチ運動シニキタノデスカラ、ブルマーハナイスチョイスネ」
と、いささかずれた発言を見せるのは千春とリンダの二人組。
そもそもいずみがなぜ怒っているのかが理解できてはいないらしい。
「ん、もう、二人とも~。あんまりこいつを甘やかしちゃ駄目じゃないの」
菊丸の耳を摘み上げ、さっそく自分たちを騙した菊丸へと制裁を加えつつ、千春とリンダという天然二人に注意を促すも、どうやらこれは逆効果だったらしい。
「ヘイ、イズミ。菊丸ガ痛ガッテイルネ。耳ヲ離シナサーイ」
つい、と菊丸を奪い、腫れて赤くなった耳に舌を伸ばして舐めてしまうリンダに、今度は千春が過剰に反応する。
「なっ、なにやってるのよ~っ!」
「菊丸ガ痛ガッテイルカラ消毒シテルネ。菊丸、痛クナイデスカ?」
「~~っ! い、いいから菊丸くんから離れて~っ!!」
「わ、わあ、二人とも~♪」
千春とリンダに挟まれて、当の本人は嬉しい悲鳴を上げている。なにしろ密着したおかげでリンダのたわわに実った二つの膨らみ。千春の小ぶりとはいえ形のいい双丘が直に当たってたまらない感触なのだ。
その様子に唯一の良識派いずみは思わず額に手をやりため息をつく。
「‥また始まった‥。もう、二人ともいいかげんにしなさ‥えっ」
ため息をつきながらも周囲の失笑をかっている状況を止めようと間に入ろうとしたいずみを、ちょうど千春が振り上げようとしていた右腕が直撃してしまった。
「きゃ、きゃあっ?!」
思いもよらない衝撃に、短い悲鳴をあげて体制を崩してしまう。二、三歩後ろによろけながらも何とか体制を整えようとするいずみに、今度は更なる衝撃が襲い掛かった。
「あっぶな~~い♪ いずみちゃぁん」
緊迫感どころか、余裕たっぷりの声色でいずみの様子を見極めた菊丸が横合いからしゃしゃり出てきたのだ。
「え‥?」
疑問符を浮かべたのも束の間。今度は体制を整える間もなく、いずみは助けにきた、であろう張本人に押された形で傍にあった池に突き落とされてしまっていた。
「‥まったく、なんてことするのよ、アンタはっ!」
いずみは水を吸った体操着の端を絞り上げながら、殊勝にも下を向いている菊丸を睨みつける。
「いやあ、いずみちゃんが池に落ちそうだったから助けようと思って‥」
「池に落ちそうだったんじゃなくて、アンタに落とされたのよっ!!」
菊丸の言い訳に鋭くツッコミをいれるいずみ。このあたりは付き合いの長さがものを言う。
「せっかく遊びに来たのに菊丸くんのおかげで台無しじゃないの。こら、菊丸くん、聞いてるの?」
と、いつまでも下を向いたままの菊丸を不審に感じて再び声をかける。
「え? あ、聞いてますよ~、ごめんね~いずみちゃん」
それでも下を向いたままの菊丸。なにやら一点を見つめたままのようだ。
(? おかしいわね、どうしたのかしら。いつもの菊丸くんならすぐに立ち直ってるはずなのに‥)
付き合いの長さゆえ、菊丸の性格を知り尽くしたいずみは反省したままの状態の菊丸を訝しく感じてしまう。
(それにさっきからどこを見てるのかしら‥って‥)
「きゃ、きゃあああああっ! き、菊丸くんっ、どこ見てるのよ~~っ!」
菊丸の視線を辿ってみれば、なんとそこは水を吸ってすっかり縮んでしまったブルマーだったのだ。
下着がはみ出し、キュウキュウと股間にブルマーが張り付いている様はなんとも犯罪的ともいえる様子である。
さっきから菊丸はこの恥ずかしい姿を見ていたのだ。それにも気づかず、菊丸の前に立っていたのかと思うと顔から火が出そうになる。といって着替えようにも、着替えを取りに戻ってくれた千春にリンダの二人はいまだに戻ってこない。
なんとか菊丸の視線から逃れようと、ブルマーを手で隠しながら周囲を見回していたいずみの目に丸太が映る。
(あれは!)
考えるまでもなく、このアスレチック場に用意された丸太トンネルに走り出していた。
「ここなら大丈夫ね。あとは千春たちが戻るまで‥」
丸太トンネル内部は子供なら楽に進めるが、高校生の体躯では人一人が入り込むのがやっと、という狭さだ。
いずみも何とか進んではいるが、その歩は遅々として進まない。
「おーい、いずみちゃん。まだそんなところにいたのお?」
と、後ろから聞こえてきた声に、思わず天井に頭をぶつけてしまうほど驚いてしまう。
「い、いたっ‥、き、菊丸くん?! な、なんで菊丸くんまで入ってきてるのよ?!」
「いやあ、いずみちゃんがなかなか出てこないから心配になっちゃってさ。万が一のためにも、ぼくが助けてあげようかと思って」
後ろを振り返って、声の主、菊丸を見れば、どうみてもその表情は救出に来たとは思えない。いずみとっては思い出したくもないいつもの表情、何かを企んでいる時の危険な笑いを見せていた。
「助けにって、そんなのいらないわよっ、いいからさっさと戻ってちょうだい! アンタが来るといつもロクなことにならないんだからっ」
背後から感じる身体がむず痒くなるような視線に身の危険を覚えて、いずみはつい声を荒げて追い返そうする。しかし、そうした態度をとればとるほど菊丸も意地になって近づこうとしてくる。
「まあまあ、そんなこと言わないでよ、いずみちゃん。このままじゃいつまでたってもここから出られないでしょ」
「ち、近寄らないでよっ! どうせ、助けるふりして変なことするつもりなんでしょ?!」
「もう。信用無いんだなあ。いずみちゃん、ぼくは悲しいよ。ぼくはただ、いずみちゃんを助けようと思って」
空々しい口調で近づいてくる菊丸に、いずみはいよいよ身の危険を感じて、必死に前へ進もうとするのだが、ただでさえ狭いトンネル内を焦っていては進むものも進まない。
後ろから迫ってくる菊丸は小柄な身体を活かして、小憎らしいほどの速度であっという間に手の届く距離にまで近づいていた。
「やっほー、いずみちゃん。えへへ、あとはぼくに任せて、楽にしててね~」
「じょ、冗談じゃないわっ、き、菊丸くんっ、あっちに行ってったらっ!」
四つん這いになり、張りのある豊かなお尻を突き出した今の格好は、菊丸の前に晒すにはあまりにも無防備すぎる状態である。
しかもブルマーはさっき池に突き落とされてしまったおかげで、水分を含み縮んでしまい、お尻に食い込んでいる始末だ。トンネル内に逃げ込んだのも、そんな恥ずかしい格好を見せたくないからだったというのに、これでは全くの逆効果になってしまっている。
菊丸はそのブルマーをしげしげと眺めて、裾から薄い青の布地が食み出ているのを確認して喜んでいた。
(うっひょう、いずみちゃん、今日の下着は青ですか~♪ う~ん、やはり空色は外に出ないと駄目ですよねえ)
「な、なに見てんのよ?! ねえったら!」
むず痒い視線をお尻に感じるのか、クネクネと双臀を揺らして菊丸の目から隠そうとするが、圧倒的な存在感のヒップはとてもそんなことでは隠せるものではない。それどころか、まるで誘っているかのように菊丸の目には映る始末だ。
「いやあ、いずみちゃん。いま見ていて、よ~く、分かったよ。いずみちゃんが引っかかっているのは、ずばり、この大きなお尻のせいさ!」
「なっ、なに言いだすのよっ、アンタはあっ!!」
相変わらず無茶苦茶を言いだす菊丸に、呆れつつも次の行動を予測して声を荒げるいずみ。そしてその予測を裏切らない行動に出るのが菊丸という少年だった。
「まずは少しでも引っかかる部分を少なくしないとね~」
「きゃ、きゃあああああっ!!」
菊丸がブルマーに手をかけると、抵抗する暇すらなく一気に引き摺り下ろされ、雪のような白さの膨らみが曝け出されてしまう。
ブルマーが食い込んでいたおかげで、パンティーも中央に寄ってしまっていて大部分が丸見えの状態になっている。しかも水気を吸った布地は薄っすらと透けて、もう少しで大事な部分さえ見えてしまいそうになっていた。
「い、いやああん、み、見ないでえ~~っ!」
自分がどういう姿を晒しているかに気付いて、羞恥のあまり顔を真っ赤に染めて悲鳴を上げ、せめて食い込みを直そうと、手を伸ばそうとしたところを菊丸に掴まれてしまう。
「は、離しなさいよっ! あ~ん、やだあ、お尻丸見えじゃな~い!?」
ほとんど紐と化してしまっている下着を掴むと、菊丸は思い切りよく上に引っ張りあげる。
「いっ、いたぁ~いっ! やっ、やあん?! 食い込んじゃうぅっ!」
きゅうっん、と股間に食い込んでくるパンティのきつさに痛みを感じるよりも、大事な部分へと食い込んでくる感触にいずみは悲鳴をあげてしまう。
「あ、あっ、い、いやあん、み、見ないでえっ!」
お尻を突き出した状態のまま、一本の紐と化している下着が股間に食い込んできて、いったい菊丸の目にどういう格好を曝け出してしまっているのか。考えることさえ怖くなってしまう。
(う、うほほ~~っ! こ、これはスゴイっ! 下着が食い込んじゃって、もう少しでいずみちゃんのアソコが丸見えですよぅっ?!)
量感たっぷりの双臀は菊丸が下着を上へと持ち上げている為に、そのままクイッと上を向いていて、紐状パンティが食い込んでいるのがしっかりと視界に入ってくる。
なによりすごいのが股間の惨状だ。
いずみの大事な部分はかろうじて紐が隠しているが、それ以外は菊丸の目に余すところ無く晒されてしまっているのだ。
「あ~ん、見ないでってば~」
真っ白なヒップを揺すって菊丸の目から逃れようとしているが、なまじ食い込んでいるために体重がかかってますます、いずみのアソコに食い込んでいってしまう。
「あ、ああっ、ん!」
キュンっと急所から伝わる刺激の前に、いずみは四つん這いのまま、背を反らせる。その動きがお尻を下に向けることになり、菊丸が引っ張り上げる下着とは逆の動きで、股間部分を擦ってしまい、
「ああンっ!」
と、またも可愛い声で鳴いてしまうことになる。
(うひょひょ~♪ いずみちゃん、食い込みが気持ちいいのかあっ、ようし、それなら‥)
いずみの反応に菊丸は悪魔の如き行動を開始し始める。なんと上に引っ張ったままの下着を、今度は下に向かって曳き降ろした。
「ひうぅっ!」
食い込んでくる紐状の下着の感触だけでもアソコにジンジンと刺激が伝わってくるのに、上下に擦られてはたまらなかった。
(な、なによ、これっ‥ア、アソコがあつぅい‥)
16歳の少女にとってあまりにも強すぎる衝撃に、いずみは抵抗さえ出来ずに上下の攻撃を許してしまう。
じょりっ、じょりっ! と上下に擦れる音が響く度に、いずみの背筋は反り返り、「ああん、ああっ」と口を開いて、喘ぎを上げる。
「や、やめなさ、いぃっ! あ、ああん、やめ‥てっ!、やめてってたらぁ、っあっ、あああ~~~っ!!」
なんとか菊丸を制止しようと、喘ぎを止めて声を出そうとするのだが、上下の動きが大事な場所を擦り上げる度に、頭の中がどうにかなりそうなくらいの刺激が襲い掛かって制止の声も止まってしまうのだ。
「あっ、あっ、ああン、やめ、菊丸っ、‥菊丸くぅっん‥やめて‥おね、が‥いぃっ!」
なんとか声を上げても、それは思わず甘えるような響を狭い丸太内に反響させてしまっていた。
(ぐふふ、強がっちゃって、もう♪ いずみちゃんは素直じゃないのが玉にキズだよね~。すぐぼくが素直にしてあげますからね~)
目の前でぴくんぴくんと可愛らしくお尻を振って身悶える同級生の姿に、菊丸は余計に気持ちを強くする。
長い付き合いでこの美少女が最初の抵抗は激しいわりに、それをかわすと途端に弱弱しい抵抗になって甘えてくるのは承知のことだ。
菊丸は紐状パンティを手綱代わりに毎度お馴染みのじゃじゃ馬調教を開始する。
「あ、あっ、‥っ」
菊丸が捌く手綱の動きにいずみが美貌を朱に染めて、右に左にと首を振る。
「やっ、やめっ、やめなさいっ! あ、っ、ああンッ!」
俯いたかと思えば、今度は仰け反るように天を仰ぎ、その度に黒髪を揺すって汗を飛び散らす。
「アァン、あん、あっ、あっ!」
同級生の前に紐状の下着が喰い込んだお尻を見せ付けるように震わせ、いずみは床に爪を立てて必死に耐えようとする。
(だ‥めぇ、このままじゃ‥また‥ぁ‥っ)
これ以上こんな責めを受ければそのまま手綱を握られてしまう。
いくら悔しいと感じても女の肉体は男には逆らえない。身体中で抵抗しても最後には泣き喚き、恥を晒してしまう。いずみは菊丸に高校生の、16歳の少女が女であることを教えこまれたのだ。
いずみはぎりぎりと唇を噛んで、涙目になりながら真っ赤になった顔を揺すり、必死になって理性を掻き集めて、ようやくとろけそうな身体の制御を取り戻すと、同級生を振り返り凄まじい勢いで怒りを露にする。
「い、いいかげんに‥っ、しなさ~いっ!!」
眦を吊り上げて菊丸を睨みつけ叱り付けるいずみの剣幕に一瞬たじろいだ菊丸だったが、狭い丸太の中で身動きの取れないことを悟ると、常ならぬ情熱を持って悪戯を再開しようとする。
(ここまできて‥やめられますかいな~~っ)
落下寸前の美果を目の前にして、漢として当然の闘志を燃やし下着を使った乾布摩擦攻撃を繰り返していく。
「うっ‥、あ、あぁっ! ば、ばかっ、やめなさいって言ってるでしょっ! ‥っ、あ、ああ~~ん」
理性を掻き集めて叱り付けたのをあっさりと悪戯でかわされ、挙句により以上の速度と密着をもって攻撃を再開されて、高校生とは思えない悩ましさで腰を振り、量感たっぷりのお尻を突き出して悶え泣いてしまう。
(でへへ♪ あ~あ、すっかり感じやすくなっちゃって。前はもうちょっと抵抗してくれたのになあ)
強気な顔を見せながらも、下着の喰い込んだ場所からは濃密な汗を噴き溢し、今にも見えてしまいそうな危うさを示して、美少女が変質的な責めに屈しかけているのが見て取れる。
それを嬉しく思いながらも、以前ほどの勝気さが薄れてしまったのも残念な気もする菊丸だった。
と、そんな勝手な感慨を抱いていた、その時。
薄暗かったトンネル内が急に明るさを取り戻す。
それと同時に幾人かの人の声が響いてきた。
「おい、大丈夫か、君たち?!」
姿を消したままいつまでも戻ってこない二人を心配した千春とリンダが探し出した管理人に頼んで救出作業を行ったのだ。
ライトに照らし出されたのは四つん這いの美少女が、背後の少年に纏わりつかれながら捩れた下着を使って悪戯をされている姿であった。
「い、いずみ‥っ?! き、菊丸くんっ、なにやってるのよ~~?!」
「オウ、菊丸ッ?! ソレハイッタイナンノアスレチックデスカッ?!」
千春とリンダの驚愕がトンネル内に響き、光に照らされる。
「うお、まぶし‥っ」
暗闇に慣れた目が光に呑まれ、ギクリと硬直した菊丸は知らず掴んでいたパンティをも加減なく引き絞ってしまっていた。
「‥っ?! ひっ、い、い‥っ、だ、めっ、あ、あっ! ああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!」
助かった。千春たちの声に生まれた油断と容赦なく喰いこんで来たパンティとに限界まで堪えていたいずみの境界域がついに破壊されてしまう。
勝気な美少女は暗闇の中、汗にまみれた白い肌をライトに照らされ四つん這いのまま仰け反り、凄まじい色香を貼り付けた美貌を魅せつけ凄まじい悲鳴を響かせる。
「やだ、いずみ?!」
「オウ‥イズミ!」
いつもは自分たちを注意する友人の見せる生々しい女の表情に、さすがの二人も呆れてしまう。
「い、いやっ、イヤァッ! み、見ないでぇっ! あ、あ、あっ! あうっ、うッ、き、きくまる‥ッ、ひっ、い、~~~~っ!!」
いくら止めようと思っても身体は言うことを効かず、いずみは恋人にしか見せてはいけない姿をいつまでも晒し続けるのだった。
「わ、わーん、いずみちゃあん、もう勘弁してよ~」
菊丸の情けない声が周囲に響くも、聞き手であるいずみの方はまるで相手にしていない。
「なに言ってるのよ! 菊丸くんのせいでその丸太トンネルは壊れちゃったんだから、責任とって自分で直しなさいっ!!」
見ればへっぴり腰で長さが四メートルはあろうかという丸木を菊丸一人で運んでいる途中であった。
もちろん、いずみや千春たちはすでに帰り支度を済ませて、用意した弁当をつまんでいる最中。
千春もリンダもせっかくのアスレチックでの楽しみが奪われておかんむりで、庇う素振りも見せていない。
いずみ怒りはそれだけだはないだけに、まさしく怒髪天を突く勢いだ。
その迫力の前には菊丸もひたすら汗を流して、丸木の運搬を続けるしかなかった。
菊丸の様子に少しは溜飲を下げたのか、ふん、と鼻を鳴らして荒々しくサンドイッチにかぶりつくのであった。

まったく、いつもいつも遊びに出かけるたびにこうなるんだからっ! 少しはHな性格もシェイプアップすればいいのよ!!
満足度に応じて星を付けて下さると励みになります。
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