「菊丸の必勝面接術!?の巻」

こんにちは。
今日はユキちゃんの家庭教師の日なんです。
でもわたしの都合が悪くなっちゃって‥
「ええっ、今日は一緒に来れないって!?」
「ごめんなさいっ。どうしても抜けられない用事が出来ちゃって」
「う~ん、しょうがないか。じゃあ、今日はぼく一人で行ってくるよ」
「ほんと、ごめん。ユキちゃんにも謝っといてね」
いずみは急ぎの用事らしく謝罪もそこそこに駈けだしていく。
「はぁ、弱ったなあ。いずみちゃんがいないんじゃなにをすればいいんだか‥、ん?」
弱りきった顔をしていた菊丸だったが、そこで何かに気付いたように言葉を止めニンマリと笑みを浮かべるのだった。
「いらっしゃい、菊丸くん。‥? あら、いずみさんはいないんですか」
出迎えたユキは菊丸の姿しか見えないことに首を傾げている。
「今日はちょっと用事があるらしくて遅れるかもって。ユキちゃんにごめんってさ」
「いえ、そんな‥。じゃあ、今日は菊丸くんだけなんですね」
「うん、そうなんだ。あれ、そういえば看護婦さんは?」
「あ、潤子さんも今日は用事でお休みなんです」
菊丸一人と聞いたとき、ユキの瞳が一瞬、キラリと光る。何を考えているのか、まるで懲りていないユキだった。同じく懲りない男、菊丸も。
(看護婦さんもいないのかあ。なら今度こそユキちゃんを‥)
ユキへと視線を向けると、二人の目がしっかりと合ってしまう。
「‥‥‥」
「あ、あはははは」
「う、うふふふふ」
思わず笑い合う二人であった。
「さて、それじゃあ始めようかあ」
「あ、待ってください、菊丸くん」
部屋に通され、さすがに突破口もないので勉強を教えようとする菊丸に、先制攻撃を放ったのは小悪魔ユキの側だった。
続きはfantiaから
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