ハートキャッチいずみちゃん SS_27

小説管理人作品
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「菊丸のどっきりマッサージ術!の巻」


こんにちは。
今日はわたしたち温泉に来ているの。
え、また高校生だけで温泉なんかに来て、ですって?

 うふふ、今回は大丈夫。
 わたしたちだけじゃなく、大学生の美奈子さんも一緒なのよ。
 美奈子さん、この間が誕生日だったの。それでお祝いにわたしたちでこの温泉旅行をプレゼントしたってわけ。

「でも悪いわね、二人とも。温泉なんてプレゼントしてもらっちゃって」
「気にしないで下さい、美奈子さんには迷惑かけたこともあるし、このぐらいのことはしないと」
「そう? うふふ、ほんとは温泉って大好きなのよ。だから嬉しかったわ、ありがとう、いずみちゃん」
 申し訳なさそうに、隣を歩く二人に声をかけていた美奈子であったが、いずみからの返答にホッとしたように本音を漏らす。
「美奈子さん、ぼくもお金出したんだけど‥?」
「あら、ごめんなさい菊丸くん。どうもありがとう、感謝してるわ」
 むくれた声を出す菊丸に、美奈子は魅力的な笑みを作って礼を返す。大人の余裕と言う奴だろう。
「いいんですよ、美奈子さん。大体いつも菊丸くんが迷惑かけるんだもん。それぐらい当然でしょ」
「ひどいなぁ、いずみちゃん。だからぼくの方がお金を多く出したんじゃないか。お陰で今月はピンチなんだよ」

 つくづく、いずみには頭が上がらない様子の菊丸。その絶妙な関係に思わず美奈子は吹き出してしまう。
「あ、美奈子さんまで。ふん、どうせいっつも悪いのはぼくだけですよ~」
 完全にいじけた菊丸に堪えきれず、いずみも一緒に笑い出す。なんとも平和な光景であった。
 廊下を渡りきったところで、旅館の自慢。露天風呂の脱衣所へと到着する。
 当然のことのように、【男】【女】と表札は分かたれており、混浴でないことの厳然たる事実を期待に胸膨らませていた菊丸に突きつけるのであった。
「え~~~っ!? いずみちゃん、混浴じゃないのぉっ」
 開口一番、これである。
「あたりまえでしょ、なにを期待してるのよ、あんたは!」
「だ、だって温泉だよ、温泉。温泉といえば露天風呂、露天風呂といえば混浴じゃないか~っ」

続きはfantiaから

コメント

  1. そらひろ より:

    なんか普段からこんなことされていそうですね。
    美奈子さんの場合は、隣人として、在宅状況を菊丸に完璧に把握されているのが不運ですね。
    菊丸が訪問しても拒めないように仕込まれてしまって、家の中に上がりこまれ放題でしょう。
    週末なんかオールナイトで責められてたりして。

    • 虎馬屋@管理人虎馬屋@管理人 より:

      >そらひろさん
      普段からこんなことしてます。
      いずみちゃんや先生相手に不発だった不満をここぞとばかりに爆発させていたりもするので、美奈子さんも大変です。
      彼氏よりも菊丸に恥ずかしい目に遭わされているので、不憫で仕方がありません。

      • そらひろ より:

        こんなこと彼氏さんにバラされたくないでしょ、とか言われて菊丸に嬲られても拒絶できなかったり、
        菊丸におかしくされ続けて、彼氏さんとのノーマルな恋愛はつまらなくなってしまう、
        てなことになったら不憫ですな>美奈子さん。

  2. そらひろ より:

    せっかく隣人にイケイケの風貌の美人女子大生が住んでいたのだから、いくらでも登場させることは出来たのでしょうに。
    彼女も準レギュラーになれたと思うのですが。

    • 虎馬屋@管理人虎馬屋@管理人 より:

      >そらひろさん
      初期のゲストはレギュラー入を模索していた感がありますよね。

  3. そらひろ より:

    いずみや桂木先生相手に不発だったとばっちりで、菊丸に家に上がり込まれて責めを受けるとは、美奈子さんはとんだ災難ですね。
    マンションの一人暮らしってある意味密室ですし、菊丸の気が晴れるまで美奈子さんは相当ひどい目に遭わされるんでしょうな。
    本当に不憫ですね。