「クリスマスケーキ作りは大変!!の巻」

わたしたちは明日のクリスマス会に向けた準備で大忙し
子供たちのためにおいしい料理を作ろうと桂木先生のマンションに集まってるんだけど‥
菊丸くんったら邪魔ばっかりするのよね。
「あ、こらっ、菊丸くんっ!」
「いけねっ、見つかっちゃった」
出来上がった料理に手をつけている菊丸を発見したいずみが声を上げると、菊丸はから揚げを口に含んだまま逃げ出すのだが、
「きゃああっ!!」
「って、うわあああ!!」
今度は台所から出てきた千春とぶつかると、運んでいた料理が宙に舞い、床へと散乱させてしまう。
「ど、どうしたのいったい?!」
「あ、先生。それが‥」
騒ぎに顔を覗かせた桂木先生にいずみが菊丸の耳を捻り上げながら事情を説明するのだった。
「ふぅ、まったくもう。ろくなことしないわね、あんたは」
「ご、ごめんなさ~い」
床に正座させた教え子を見下ろし、呆れかえったと溜息をつく桂木先生に涙混じりに頭を垂れる菊丸。しかしその視線は女教師のスカート奥を覗こうと動いていた。
「‥‥。こ、のっ!」
「ぶぎゃっ!」
そんな菊丸の頭へ踵を落とし、グリグリと踏みにじりながら、いずみたちと足りなくなってしまった料理についての善後策を講じ始める。
「新しいのを作るしかないけど。「ぎゃんっ!」材料はまだ残ってたかしら?「ぅぎゃっ!」」
「それが出来上がってたのもつまみ食いされちゃってて、今ので余分も使い切っちゃってるんです」
「困ったわね。「ちょ‥っ!」このままじゃ子供たちの分が足りないままだわ。「やめっ、ぎゃぁっ!」」
足元でなにやらくぐもった叫びが上がるが、二人はなにも聞こえていないように会話を交わし、いかにも困ったというように顔を見合わせていた。といっても、もうやることはわかりきっている。
「しょうがないわ。悪いけど買出しに行ってもらえるかしら?」
「はい。ええと、足りない分だと‥これくらいですか?」
「そうね、あとあれと‥ついでだからこれも買ってきてもらえる?」
「わかりました。じゃ、行きましょ千春」
慶子からメモ用紙を手渡されたいずみは千春を誘うと玄関へ向かう。
「あ、ぼくも‥」
「なに言ってるのよ、菊丸くんは他にやることがあるでしょ」
いずみたちの後を追おうとした菊丸の目の前でドアが閉められる。
「さ、菊丸くんは居間のお掃除をお願いね」
「‥は~~い」
にこやかに雑巾や掃除機を差し出す桂木先生に菊丸はがっくりと肩を落とし、頷くのであった。
続きはfantiaから
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