「菊丸のお見合い妨害作戦の巻」

あら、いま園長室から出てきたのって桂木先生? どうしたのかしら、元気がないみたいだけど
「あ、ほんとだ。どうしたんだろ。やっほー、桂木せんせ~い」
担任教師の姿を見かけた菊丸が脳天気に声を掛けると、桂木慶子はさらに落ち込んだように肩を落としたように見えた。
「ハァ‥。あんたのせいで‥」
近づいてきた菊丸の顔を苦々しげに見詰めると、ため息をついて俯くのである。そこには普段の快活な様子はなく、この世の不幸を一身に背負ったかのような陰鬱な雰囲気を纏わせているのだった。
「ちょ、ちょっと人の顔を見るなりなんなんですか!?」
さすがの菊丸も桂木先生のこの態度には傷ついたらしい。いったい何ごとかと桂木先生へと詰め寄ってゆく。
しかし慶子もまたいつもの余裕がないようで、そんな菊丸の首を掴むとグラグラと前後に揺すって「あんたのせいでええっ!!」と取り乱すのであった。
「せ、先生っ、落ち着いて下さいっ?!」
いずみに止められようやく理性を取り戻したのか、桂木先生はぜぇはぁと荒い息をつきながら、園長室での出来事を語り始めるのだった。
「桂木先生。見合いをして見る気はないかい?」
マホガニー製のデスクに肘を置いて開口一番切り出した小柄な老婆、園長先生の言葉を耳にした慶子は、しかしそのままオウム返しに口を開くしか出来なかった。
「お見合い、ですか? あの、誰が、でしょうか?」
「あんたに決まってるでしょう、桂木先生」
「わ、わたしですか。で、でもそのまだ結婚するつもりもないですし、それにいきなり見合いと言われても‥」
あまりに突然のことにあたふたとした返事しかできない。まさか呼び出されてこんなことを言われるとは予想もしていなかったのである。
「先生は25歳でしょう? もう結婚を考えてもいい頃だと思いますよ」
「それはそうですけど、その、わたしは‥」
「それとももう決まった人でもいるのかい?」
「いえ、それはまだ‥」
「では問題はないでしょう? 一度、お会いしてみるだけでいいのですから」
些か強引な園長の言葉に、慶子もようやく理性を回復させたのか、園長を見据えると強い口調で結婚する意思がないことを改めて口にする。
「あの。お気持ちは嬉しいのですが、わたしはまだ家庭をもつことより、教師として生徒たちと接する時間を尊重したいんです」
年若い女教師の理想に、しかし老獪な園長はやれやれと肩を竦め。
「‥。先生の決意は立派だと思うんだがね。その生徒との接し方が問題になっているんですよ」
「‥っ!」
ここにきて園長の言わんとすることに慶子も遅まきながら気付く。そもそもが呼び出された理由が出来事だ。
「あんたの尊重したい時間てのは特定の男子生徒一人のことなのかい? 先生の教育方針に口を出す気はないけどね。こう毎日毎日あんな騒ぎを起こされちゃ生徒たちにも示しがつかないと他の先生方から苦情も来てる」
重々しく口を開く園長に、桂木先生は言葉もなく立ち尽くす。
「決まった相手がいないから、隙を見せてしまうのさ。なら見合いでもして身を固めてしまえば、ああいうことも起こらなくなるんじゃないかい?」
「‥わかりました、この話、お受けします」
桂木先生は耳まで赤く染め、粛々と頷くのであった。
続きはfantiaから
コメント
また読めて嬉しいです。乳首責めに乾布摩擦、とどめのアナル調教と桂木先生の弱点が全部責められ良かったです。
見合い相手に見られたのはお尻の穴に指を入れていたところだったような気がしたのですが、加筆修正されたのですか。
桂木先生が修学旅行でイタズラされる作品がまだあったと思いますが掲載していただければ嬉しいです。
>匿名得雄さん
修正はいつものことということで。
修学旅行のアレもどこかに埋没中でして。
アレがちょいちょい書き下ろしてる修学旅行モノの最終日という扱いになってます。
桂木センセの「白足袋に着物用のヒモパンティー」だけで、ご飯三杯いけます。
その格好のまま、菊丸に指で弄られるとは。
もう、タマリマセン!
>catさん
白足袋、いいですよねえ。
あれ履いた状態で先生からガシッと両足絡ませてもらったらご飯六杯はいけます(無駄な対抗心