ハートキャッチいずみちゃん SS_02

小説管理人作品
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「ハチミツ騒動!!の巻」


いまは夏休み。わたしは菊丸くんのおじいちゃんのところに遊びに来ちゃってます。

 なんでも菊丸くんのおじいちゃんが、珍しいものを見せてくれるらしくって。
 えっ? 珍しいものって、何だって。 ふふっ、それはね。
 
「も、もうヘトヘトだよ。おじいちゃん、これくらいでいいだろ」
 菊丸が大きな瓶を抱えてよたよたと歩いてくる。その瓶の中身を見た祖父は情けない言葉を吐く孫を一喝する。
「何を言う菊丸! これっぽっちじゃ、全然足りんぞ。もっとしっかり取ってこんか!」
「そ、そんなあ、いい加減休ませてよ」
「菊丸。おじいちゃんの言うとおりよ。もう少し頑張りなさい」
 泣き言を言う菊丸に傍らで見守っていたひとみも励まし、というよりも叱責といった方が早い。その表情にいつもの優し気な笑みはなく、厳しい眼差しをいとこへ向けている。
「ひ、ひとみちゃんまで‥」
 
 そう、いま菊丸くんが一生懸命採っているのは、ハチミツなの。
 菊丸くんのおじいちゃんが健康食品にはまっちゃって、あの庭にハチミツ採取の場所を作ったの。
 で、菊丸くんが一人で蜂蜜を採らされてるのはちょっとしたお仕置きも兼ねてるのよね。
 
「ほっほ、いずみさんや。ここは菊丸に任せて、風呂にでも入ってくるがいい」
「え、いいんですか?!」
「構わんよ」
「そうね、いずみちゃん。一緒に入りましょ」
 菊丸に見せていた厳しい表情を一変させ、孫の友人に自慢の風呂を勧める祖父。
 ひとみにも水を向けられるとやはり広い風呂の魅力には抗い難いのか、いずみは一瞬躊躇いを見せるが。
「‥そうねえ、ここにいてもしょうがないし。じゃ、菊丸くんあとは頑張ってねえ」
「そ、そんなあっ! ひどいよ、いずみちゃん、ひとみちゃーんっ!」
 自分を置いて風呂に向かいだした二人に菊丸が情けない声を上げて追いかけようとするのだが、祖父に襟首を掴まれ引き戻されてしまう。
「こりゃ、さっさとハチミツを採らんか!」
「ひ――ん」
「それじゃ菊丸くん、ハチミツ採りがんばってね~」
 菊丸の悲鳴を後ろにしながら、二人の美少女をちょっとかわいそうかしら、と舌を出しつつ広い庭の一角へと消えてゆくのだった。

 
続きはfantiaから

コメント

  1. そらひろ より:

    遅ればせながら、加筆ありがとうございます。

    菊丸にキスされてしまうひとみちゃんがリアルに描かれていて本当に可愛くって可哀想で
    あと「今日も寝かせないよん!」っていいですね。

    >夜通し責められ弟を起こさないよう、こうするように仕込まれてしまっている。

    弟には決して見せられない姿を菊丸に晒させられてるんでしょうね

    お仕置きされても菊丸は全く懲りていませんね。
    きっと今晩もひとみちゃんは菊丸の悪知恵でいずみと完全に分離されて、朝まで寝かせてもらえないんでしょうね。

    • 虎馬屋@管理人 虎馬屋@管理人 より:

      >そらひろさん
      楽しんでいたけたようでこちらも嬉しいです。
      ひとみちゃんはいずみちゃんたち以上に菊丸と切っても切れない縁なので、悲惨さはより以上ですね。
      少なくとも原作通りならいずみちゃんたちは菊丸の魔の手から逃れたわけですが、ひとみちゃんはこれからも顔を合わせるわけで。
      獲物がいなくなった分、ひとみちゃんへかかる負担を考えると可哀想で可哀想で。←棒読み

      昔、原作終了後の菊丸の移動先を考えたときはおじいちゃんのところに落ち着いてひとみちゃんとその周囲を巻き込む第二部やらないかなあ、とか妄想していました。

      • そらひろ より:

        ひとみちゃんが可哀想なのは菊丸がお泊りでやって来ることでしょうね。
        あと、菊丸に誘われたひとみちゃんが、のこのこと明智家を訪問したら菊丸以外は全員旅行中だった。
        菊丸のひとみちゃん恋人化計画の罠にあっさりと落ちてしまったひとみちゃん。
        昼間は散々こき使われた挙句、菊丸のホームグラウンドでの夜の部が待っている、
        といったシチュも良いかと思いますが。

        • 虎馬屋@管理人 虎馬屋@管理人 より:

          >そらひろさん
          ひとみちゃんが菊丸宅にというのはネタ帳にありました。
          自分のネタでは昼間は普通にいずみたちと遊びがてら悪戯され、帰宅後はいずみに邪魔をされた分、鬱憤晴らしも兼ねて朝まで可愛がるのを竹丸に邪魔されるという形でしたが。

          昼間はひとみちゃんにこき使われて、その分‥というのも主従逆転で面白いですね。

          • そらひろ より:

            ネタ帳を持っておられるとはさすがですね。
            ひとみちゃんにこき使われる菊丸。仲の良いイトコ同士ですね。
            私は菊丸の家中の掃除や洗濯を菊丸に命令されてやらされるひとみちゃんを妄想しておりました。

            最終回の菊丸の引っ越し先がお祖父ちゃんのところですか、
            お祖父ちゃんは土地持ちなので、近所に明智家が家を建てて移住したのですかね、
            これはひとみちゃんにとっては悪夢のようなシナリオですね。
            これからは毎日のように菊丸がやってくるでしょう、
            菊丸が悪知恵でお祖父ちゃんに取り入って、週末には毎週のように泊りがけで来られると、
            これまで苦労して仕込んできたヒロインたち、特にいずみや桂木先生にめったに会えなくなった
            菊丸の欲求の捌け口は全てひとみちゃんに向けられて、想像を絶するようなメに遭わされるんでしょうな。
            菊丸のことだから引っ越し先でもどんどんターゲットを見つけるのでしょうが、
            まずはひとみちゃんを徹底的に責め抜いて、完全屈服させることでしょう。
            いや~本当にひとみちゃんは可哀想だな~

            • 虎馬屋@管理人 虎馬屋@管理人 より:

              >そらひろさん
              ネタ帳はともかくも、こうした妄想を形にするのは楽しいですね。
              いつかそらひろさんもお暇な時にお話作りをしていただければなーと思います。

              人の書いた作品が読みたいのです‥

  2. そらひろ より:

    菊丸に騙されて、数日間菊丸と二人きりで過ごす羽目となったひとみちゃん。
    菊丸の命令で掃除や洗濯など、散々こき使われ、菊丸のために料理を作らされ、
    一緒にお風呂に入った後の夜の部で、今度は自分が菊丸に料理されてしまう、とか。

    • 虎馬屋@管理人 虎馬屋@管理人 より:

      >そらひろさん
      そういうの二次ってくだはい。

      • そらひろ より:

        文才があれば・・・ですね・・・
        ヒロインさんの中にはお手柔らかにお願いしてあげて欲しい方と、
        限界を超えて徹底的に苛め抜いてやって欲しい方がいます。
        ひとみちゃんとか宇敷美奈子さんなどは後者なんですよ。可哀想ですが。

        • 虎馬屋@管理人 虎馬屋@管理人 より:

          >そらひろさん
          二次創作は文才よりも愛ですよ、愛。
          書き始めればどうにでもなります。

  3. そらひろ より:

    加筆ありがとうございます。
    菊丸に「今夜も寝かせない」宣言されるひとみちゃんが本当に可愛くて可哀想で。
    これまでのおぞましい一夜の数々が思い起こされて鳥肌ものだったでしょうね。
    順調に調教が進んで、ひとみちゃん受け入れ始めているようにも思えますね。
    菊丸やりたい放題ですね。

    • 虎馬屋@管理人 虎馬屋@管理人 より:

      >そらひろさん

      加筆も楽しんでいただけたようで何よりです。
      ただ加筆はあれですね。調教だの躾だの。
      自分の趣味性が全面に出すぎるので宜しくありませんね。
      毎回こんなのハートキャッチじゃないじゃん、と自分で呟きながら書いております。

      申し訳ない。

      • そらひろ より:

        いえいえ大歓迎ですよ。
        ひとみちゃんは菊丸が帰省する時は必ず離れで寝るように仕込まれていて、
        毎回夜通し明け方まで菊丸と二人だけの楽しい時間を過ごさせられていたとか、
        妄想が膨らんでしまいますね。
        あと、会えない間に他の男とくっつかないように「もぐさきりたんぽ」の刑にされていたとか、
        これは鬼畜過ぎますか・・

  4. そらひろ より:

    何かひとみちゃんがどんどん悲惨になってきて良いですね。
    菊丸に簡単に骨抜きにされるようになってしまい、やられ放題ですね。
    昼間からこんなに悶え狂わされて、夜の部は物凄いことになっていそう。
    あと菊丸に恐ろしい宣告をされたひとみちゃんの「そ、そんな‥」がいいですね。
    どんな目に遭わされても拒絶できないように仕込まれてしまって、ひとみちゃんは本当に可哀想。

  5. そらひろ より:

    遅ればせながら加筆ありがとうございます。