ハートキャッチいずみちゃん SS_03

小説管理人作品
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「菊丸のお化け屋敷復活術!?の巻」


こんにちわ、わたしたち、今日はお化け屋敷に来ているの。
えっ、なんでお化け屋敷になんかいるのかって?

 実は、お父さんの会社の取引先にここの経営をしてる人がいるんだけど、その人から招待券を貰っちゃったの。
 それで菊丸くんとここにやって来たってわけ。

「なんか、ずいぶん寂れてない?いずみちゃん」
 菊丸くんが入った途端に、そんなことを言い出した。
「こら、菊丸くん! 失礼なこと言わないの」
「でもさー」
 ‥でも、確かにそうよね。お客さんも入ってないみたいだし。やっぱり今どきお化け屋敷なんて、誰も観に来ないのかしら?
「そうなんです、正直、私どもも困っておりまして‥」
「うわっ!」
「きゃあああっ!」
 突然後ろから声をかけられて、悲鳴を上げる菊丸といずみ。いずみが驚いて振り向くと、そこには人の良さそうな50がらみの男が立っていた。
「あ、石倉さん」
「誰?いずみちゃん」
「このお化け屋敷の招待券をくれた人、石倉さん」
 いずみに石倉と呼ばれた男は、ひそひそと話している二人に頭をを下げる。
「いえ、実はあなたに招待券を渡したのは、若い人がどう思うのかを知りたかったんです、それで、どうでしょうか、このお化け屋敷は」
 そう言われて顔を見合わせる二人。
「ど、どうする、いずみちゃん」
「どうするって、言われても」
 石倉はそんな二人の様子にがっくりと肩を落とす。
「やはり・・・、今の若い人たちにお化け屋敷なんて向かないのですね、ですが、私はこういったものこそ、これからの時代に残していかなければならないと思うのです」
 肩を落としながらも、とつとつと語る石倉に、菊丸が涙を浮かべながら、叫び出す。
「す、すばらしい! 全くその通りです! 石倉さん、後はぼくたちに任せてください! きっとこのお化け屋敷を成功させてみせます!」
「え、ええ────っ!!」
「ほ、本当ですか!」
 菊丸の叫びに、それぞれ意味の違う叫びを上げた。
「な、なに言ってっるのよ、菊丸くん。そんなの無理に決まってるじゃない」
「大丈夫だよ、いずみちゃん。ぼくに考えがあるんだ」
「そ、そうじゃなくて」
 勝手な事を言い出した菊丸に抗議するいずみを見て、石倉はまた、がっくりと肩を落とす。
「す、すいません、そうですね、他人の貴方方にそんなことをしてもらう事なんて、できませんよね」
 そのいかにも残念そうな様子にいずみは思わず
「い、いえ、大丈夫です、石倉さん。わたしたちも手伝いますから、元気を出してください」
 などと口にしてしまう。ニンマリと笑みを浮かべると菊丸もまた。
「そうです、大船に乗ったつもりで任せてください」
「こ、この、お調子者ーっ!)
 またも菊丸のペースに嵌ってしまったいずみちゃんであった。

 続きはfantiaから

コメント

  1. ゼロ21 より:

    タップが上手くいかず☆二つになってしまいましたが本当は☆四つです

    マイナスの一つはさらなる加筆と充実に期待させていただきます(о´∀`о)