「エルミタージュの剽窃 の巻」

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 いずみがその青年を見たのは三度目だった。
 登校中の通学路で、電柱の傍らに佇んでいたのが一度目。二度目は下校時の校庭で、メタセコイアの陰からこちらを見ていた。
 銀色の髪、青い瞳、すらりとした長身。留学生でも転入してきたのかと思ったが、翌日の朝礼で紹介されることはなかった。
 三度目は体育館での授業終わり。クラスメイトの明智菊丸と、マットを体育倉庫に運びいれ、倉庫を出ようとした時だった。
 輪状に飛び出していたマットの耳に足を取られたいずみは尻もちをついた。
「大丈夫いずみちゃん?」
 助け起こすかのように駆け寄った菊丸だが、もう一方の足を持つと、反対側の耳に引っかけた。
「こらーっ何するのよー!」
 M字開脚にされたいずみはさらに両手をバンザイのようにつかまれると、マット上部の耳に縛り付けられ仰向けに固定されてしまった。
 菊丸はいずみの体操着をまくりあげると純白のブラジャーをずり上げた。
 プルンと形の良い裸の胸が露わになる。
 ヨダレを垂らしながらいずみに覆いかぶさった菊丸は、処女の張りのある乳房をわしづかみにした。
「ああん! いい加減にしなさい。毎日毎日ひとのからだをオモチャのように!」
 菊丸に日常的に性的ないたずらを施されているいずみは、よくまあ飽きないものだと呆れると同時に、こみあげてくる怒りに眉をしかめた。
 菊丸に頭突きでもくらわせようかと頭を持ち上げたその時だった。
 あの青年が跳び箱の上に立っていた。
 授業中ずっとここに潜んでいたのだろうか。いぶかるいずみだったが、次に起きたことは想像の範疇を超えていた。
 跳び箱の上にいたはずの青年は次の瞬間には菊丸の背後に現れ、手のひらを菊丸にあてたとたん、菊丸を消してしまった。
 消えたのだ。
 いずみに覆いかぶさっていた菊丸の姿が消失し、代わりに青年の手のひらが視界にはいった。
 ひんやりとした倉庫内の空気がいずみの肢体を撫ぜた。
 体育倉庫の外からドーンという衝突音が聞こえ、体育館の壁に打ち付けられた菊丸が気を失い倒れていた。
 あっけにとられているいずみに青年は、
「大丈夫かい?」
 と、優しく微笑みかけ肩に手を置いた。
 空間が歪むようなめまいを感じ、気づくと体育倉庫だった景色は青空に変化していた。
 まぶしさに目が慣れ、辺りを見回すとブランコや砂場などの遊具が視界に止まり、ここが町はずれの公園であることが理解できた。
 ベンチに青年が並んで腰掛けている。
 いずみは混乱する頭を整理することも忘れて叫んだ
「い、いったい何ですか!? あなたは‥‥」
「わかっているはずだ。いや、ぼくを試しているんだね?」
「菊丸くんにどうしてあんなことしたんですか!?」
「きみは襲われていたじゃないか」
「あいつは‥‥」
 菊丸はあれが通常だと言おうとして言葉をのみこんだ。
「心配ない。彼はエルミタージュではないよ」
 いずみには青年の言動がひとつとして理解できなかった。
「と、とにかく説明してください! じゃないと今すぐに警察を呼びますよ!」
「本当にわからないのか? 心を読めばいいじゃないか!」
 意外な返答にぎくりとした。
「その前に、その露わになっている胸をしまった方がいいかもしれないね」
 いずみは体育倉庫で菊丸に乳房を露出させられた格好のままだった。
「きゃあっ」
 慌ててめくれあがったブラジャーを下げ、体操着のシャツのスソをブルマーにしまい込むと青年の頬を平手打ちした。とっさに手が出てしまったが彼を殴るのは筋違いだった。
「ご、ごめんなさい‥‥」
 胸をむき出しにしたのはこの青年ではない。あわてて謝罪を述べると銀髪の青年は頬をおさえながら「おお痛い。きみはテレパスではなくウォリアーになったのかい?」と笑った。
「テ、テレパス‥‥?」
「そう、きみは読心術をもつエスパーだ。そうだろう、原田いずみ」
「どうしてそれを」
 過去において、自身のもつ特殊能力が露呈するたびに転校を余儀なくされてきたいずみである。再度の転校は両親にも迷惑がかかる上、自身の負担にもなる。
 いずみの顔に焦りの色が浮かんだ。
「ぼくはミヒャエル。物体転移能力、テレポートを持つサイキックだ」
 ミヒャエルと名乗った青年はいずみの警戒心をほぐすようにささやいた。
「心配しなくていい。ぼくたちはきみの味方だ」
「ぼくたち‥‥って?」
「なん度も心話で話しかけたつもりだったんだが。うまく感知できなかったようだね。もっともぼくはテレパスではないから、これはあまりにもきみ任せの手段だったと認めざるを得ないが‥‥」
「結論から言おう。もうすぐきみを解体するためにエルミタージュから刺客がやってくる。テレパスいずみ! ぼくはそのことを伝えるためにきた」
 昼下がりの生ぬるい風がいずみの鼻をくすぐった。

「いててて‥‥いったいなんなんだアイツは。ぼくを投げ飛ばしていずみちゃんをさらうなんて」
 菊丸はからだ中をさすりながらタクシーの後部座席でつぶやいた。
「ぼくをあんな風に投げ飛ばしたのは柔道部の米沢に決まっている! アイツは前にいずみちゃんとバイクデートをしたやつだ。となると行き先はあの公園しかない」
 タクシーが公園につくとベンチにいずみの後ろ姿を発見した。
「いたー! やっぱりここにいたぞ! 米沢のやつまだいずみちゃんを諦めてなかったんだな。いずみちゃんはぼくだけのモノなのに」
 植え込みに隠れながらベンチに向かい、耳をすます。
「あらゆる生物は元来。表層的な行動の裏に超感覚知覚能力を内包しているものなんだ。動物にもアンプサイという能力が確認されている。沈没する直前の船からネズミが脱出したり、大洋で同種のクラゲが出会ったりする力だ」
(ぷぷ。米沢のやつ脳ミソ筋肉のくせにいずみちゃんを口説こうとしてガリ勉みたいなこと言ってるぞ)
「わたしの心を読む力がそれだっていうの?」
「そうだ。ESP超感覚知覚や、PK念力を持つ者。我々はサイキックと総称している。君たち日本人は超能力者と呼んでいるね。太古の昔にはすべての人間に備わっていた力だ。しかし文明の進歩にともない、権力や法の支配と引き換えに豊かさを手にするようになると、能力を持て余すようになり、次第に薄れていった。とくに突出した能力の持ち主もあらわれはしたが、時の権力者から異端として排除され、根絶の道をたどってきた」
 菊丸はベンチの座板と背もたれの間から手を入れ、いずみの太ももを触った。
(いずみちゃんをモノにしたいならこむずかしい話しより、こういうスキンシップのほうが効果的なのに! くうう。すべすべして張りのあるいずみちゃんの太もも! ふたりのデートなんか邪魔しちゃうもんねー)
 突然脚を触られたいずみはゾクッと肩をすぼめた。
(き、菊丸ね! なんでここにいるのよー!)
 感知能力など使わずとも肌なれた感触だけで即座に菊丸だとわかった。
(い、いまそれどころじゃないのよーっ!)
 なんとかミヒャエルに気づかれぬよう装ってはいるもののからだは時おりピクピクと反応してしまう。
(や、やだ‥‥感じちゃう)
「それでも現代では1000万人にひとりの割合でサイキックは誕生している。地球全体では単純計算で700人いることになる。世界を支配する者たちはこれを脅威ととらえ殲滅に乗り出した。そのいわば魔女狩り組織がエルミタージュだ」
 小刻みに震えているいずみをミヒャエルは見つめた。
「そんなに怖がらなくていい。ぼくが護ってあげるよ」
 もちろんいずみはミヒャエルの話しで震えているのではない。
 菊丸の手がいずみのブルマーの股間をこれでもかと食い込ませていたのだ。
(ああっ‥‥こ、このバカ‥‥何やってるのよ!)
 あわてていずみはミヒャエルに気づかれないよう体操着のスソをテントのように前に張り出し、食い込みによってブルマーの左右から恥肉のハミ出した股間を、ミヒャエルの視界に入らないようにした。
 菊丸は食い込ませたブルマーを握る手を小刻みに震わせた。
 ヌルリとした潤滑液が湧き出しクチュクチュと音をたてる。
(ああん! このままじゃ‥‥気が遠くなっちゃう!)
 菊丸の食い込み攻撃に、たまらずいずみは腰を引いた。
 ベンチの背もたれと座板のあいだから、いずみのブルマーに包まれたヒップが飛び出してくる。
(うはー! いずみちゃんお尻! 触りやすいように出してくれたのかな?)
 菊丸はすぐさまブルマーとパンティをめくると生尻を露出させた。
「エスパー狩りはフェイクと呼ばれる刺客によって遂行される。フェイクはぼくらの能力をコピーする。そしてテレキネシスにはテレキネシスをテレパスにはテレパスを差し向ける」
「やつらのやり方は巧妙だ。物理的に抹殺するのではなく精神的に解体する。目的は能力を発揮できなくさせることだからね。攻撃、防御、すべてを緻密に模倣し続け、時間をかけて気力を奪ってゆく。次第に戦意をそがれ能力を使う意思も喪失する。当然事件にもならないし身近な者たちから見れば以前より活力がなくなった程度にしか見えない‥‥」
 菊丸はベンチの後部に突き出た勝ち気な少女のむっちりとした裸のヒップを両手でつかんでいた。
(うひょー! でました! この大きな桃をふたつに割ると、真ん中にはもも太郎じゃなくてかわいいかぐや姫ちゃんが‥‥)
 いずみの尻を勢いよく開いた。
「ひゃっ!」
 むき出しにされた尻を左右に広げられいずみは小さく悲鳴をあげた。
 割れ目の真ん中には繊細なつぼみがキュッと口をすぼめている。
(こんにちは! かぐや姫ちゃん。そのかわいいおちょぼ口でぼくとチュウしましょうねぇ)
 いずみのすぼまりにチュッと口づけた。
 抗いがたい肛悦がいずみを襲った。
「んふぅ!」
「きみは以前住んでいた街でエルミタージュによるハッキングを受けている。その時は運よくきみの能力をコピーしたフェイクによる襲撃が開始される直前に転校しているが、ついに居場所を突き止められたようだ」
 菊丸の舌は執拗にいずみの肛門を舐めまわしている。かたくつぼんでいた小じわは刺激を受けるたびにほぐされ、つぼみが開花するように緩んだ。
(いまだ!)  
 すかさず菊丸は尖らせた魔舌をいずみのだらしなく弛緩した尻穴に挿しこんだ。
「くひぃ!」
 いずみは眼を見開いてのけぞった。
「ぼくらのほうがひとあし速くて幸運だった。きみを失うことは世界中のサイキックにとって大きな損失であるばかりか‥‥この戦局の‥‥」
 にわかにミヒャエルの顔が赤みを増した。
「いや、そんなのはおためごかしだ。こんなことを言いにきたんじゃない。本当は、本当にここにきた理由は。ぼくは‥‥。ぼくは‥‥きみをはじめて見た時から‥‥。きみに心を奪われてしまったんだ! きみを観察しながら、あの変態野郎に毎日のように裸にむかれ。いやらしい姿で辱めを受けているのを見ながら。気が狂いそうだった! ぼくならあんな破廉恥な目にきみを合わせたりしない。一緒にきてほしい。結婚してくれ!! ぼくは一生きみを護りたいんだ」
(結婚だって!? 米沢のやつ血迷いやがってーっ)
 菊丸が見上げると、アナル責めにからだをヒクつかせるいずみが目に入った。
(ほらぁ、いずみちゃん震えるほど嫌がってるじゃないか‥‥。ん? 体育着のスソをあんなに引っ張ってどうしたんだ? さてはぼくが手を入れやすいようにあけてくれているんだな)
 菊丸はベンチのあいだから手を挿し込むとブラジャーをたくしあげ、いずみの揉み慣れたバストをわしづかみにした。
(あっああっ! いやあ。やめてぇ菊丸-っ! ミヒャエルさんに気づかれちゃうでしょーっ)
 菊丸は女子高生の張りのある乳房を手に納めると再び尻の谷に顔をうずめた。
(米沢のバカは、いずみちゃんが自分なんかより、ぼくとの密着プレイのほうが好きだってことがわかれば結婚なんて諦めるハズさ)
 両手で乳首をこねくりまわし、舌で肛門を激しくねぶる。
「ああん! も、もうだめぇーっ! おかしくなっちゃうぅ」
 いずみは激しい悦楽についに声をあげてしまった。
 驚いていずみを見たミヒャエルの目に飛び込んできたのは、求婚相手の両乳房をわしづかみにし、丸出しの臀部を舌で高速愛撫する男子高校生の姿だった。
 体育館でたしかに吹っ飛ばしてやったはずの男が。憎き変態小僧が、いつの間にここを嗅ぎ付けたのか。
「あれ? あんた誰? 米沢じゃないぞ?」
 銀髪、碧眼の青年を見上げながら、口をポカンと開けた菊丸は、頭の上にクエスチョンマークをいくつも並べている。
「おのれ」
 烈火のごとき眼光でミヒャエルは菊丸に手をのばした。
「ぼくの渾身のプロポーズをぶち壊したなぁ! 地の果てに転送してやる」
「やめて! ミヒャエルさん」
 いずみがミヒャエルの手にすがりついた。
「いずみ‥‥きみはこんなやつがいいのか?」
 ミヒャエルは泣き出しそうな顔で言った。
「こいつのせいできみの感知能力は日々衰えているんじゃないのか? だからぼくの心話に気づかなかったんだ。ぼくと一緒に行こう。ぼくならきみを最強のテレパスに育てることができる。生活だって、どんな高級ホテルでも豪華な食事でもなに不自由ない暮らしをきみに提供することができる。毎日のように世界中を飛び回り、どんな‥」
 ふと。ミヒャエルの高い鼻に影が差した。
 何かがミヒャエルの傍に現れ、陽光をさえぎったのだ。
 銀髪、碧眼のミヒャエルがもうひとりそこにいた。
「フェイク」
 いずみにはそれだけ口にするのがせいいっぱいだった。
「しまっ‥‥」
 ミヒャエルが叫ぶと同時にミヒャエルのからだはかき消された。
「へ?」
 菊丸には状況が飲み込めていない。
 残ったフェイクミヒャエルの碧眼がいずみをとらえる。
 いずみの視線がフェイクミヒャエルから斜め後ろにズレた。
 気配を察し振り返るフェイクミヒャエル。
 泥まみれのミヒャエルが立っている。
 今度はフェイクミヒャエルがどこかへ跳ばされた。
「取り乱してすまなかった‥‥。いずみ。最後にこれだけは覚えていてくれ。フェイクはしょせん偽物。剽窃の徒にオリジナルは絶対に超えられない」
 泥だらけのミヒャエルの後ろに雪をかぶったフェイクミヒャエルがふたたびあらわれた。 お互いがほぼ同時にてのひらをあてると両人ともが消失した。

「いまのなに?」
 しばしの沈黙をやぶり菊丸が口をひらいた。
 説明するわけにもいかずいずみは逡巡しつつ立ち上がろうとしたのだが。
 ベンチに尻が挟まっていたため身動きがとれなかった。
「き、菊丸くん! これなんとかしなさいよー!」
「わーっ。いずみちゃん抜けなくなっちゃったの?」
 菊丸はいずみの前に回った。
「それじゃあ引っ張るからね。それ!」
 いずみの両乳房をつかむと勢いよく引っ張りだした。
「こらーっ! どこ引っ張ってるの」
「ああっごめん。これじゃあ力が入らないね」
 そういうと今度は乳首を引っ張った。
「いたーーーーい! 乳首がのびちゃうー!」
「これでも抜けないか。いずみちゃんのデカ尻は」
「誰がデカ尻よ!」
「じゃあ後ろから押すね」
 ベンチのうらへ回りいずみの丸見えの生尻を撫でまわす。
「あっあん!」
「せえの‥‥それ!」
 掛け声とともに力を込める。
「くああああっ」
 いずみが悲鳴をあげた。
 菊丸は裸のヒップ全体ではなく。先ほどねぶりまわしていた肛門に指を挿し込んだのだ。
「どこ押してるのよーーーっ!」
 排せつ器官の内側にぐりぐりとねじ込まれて行く指の感触にいずみは悶えた。
「あっあっやめなさい‥‥んあふ」
 菊丸は指を挿したままいずみの背中ごしに覗き込んだ。
「そうか。半脱ぎのブルマーが引っかかっているせいだな」
 適当な理由をつけると前に手をまわし、股間に引っかかっていたブルマーをパンティごと引き抜いた。
 足からすっぽりと脱げ、宙を舞ったブルマーとパンティの向こうに、少女が立っていた。
 いずみと同じような背格好。黒髪をサイドテールに結び、白い球の髪ゴムを付け。体操着姿の少女。
「フェ‥‥イク!?」
 血の気の引いたいずみの頭に心話が流れ込んだ。
(オリジナルを捕捉。これより解体に入る)
 いずみはおのれのすべてが覗かれているのを感じ戦慄した。
 つぎの瞬間。思いもかけないことが起こった。
「くはぁっ!」
 フェイクいずみが尻を押さえてその場にへたりこんだのだ。
「あぐうう‥‥や、やめろ」
 菊丸が指でいずみの排せつの穴をほじくるたびに、少女もくねくねと下半身をよじらせる。
「まさか、フェイクにわたしの感覚が伝わっているというの‥‥?」
 いずみは危機的状況にもかかわらず、たまらなく恥ずかしくなり顔を赤らめた。
 菊丸はフェイクいずみの存在になど気づいておらず、謎の外国人という邪魔者がいなくなったことをこれ幸いと、いずみへの責めをエスカレートさせる。
「前がさっぱりしましたねえ」
 ブルマーを剥ぎ取ったいずみの股間に手をのばすと、やわらかな割れ目に指を這わせた。
「どこかなぁ‥‥おやゆび姫ならぬ、こゆび姫ちゃんは」
 菊丸の指はいずみの最も敏感な突起をさぐりあてるとコリコリともてあそんだ。
「くああん! き、菊丸! そこダメぇ」
 クリ悦がからだを駆け巡る。
 フェイクいずみも激しく悶えていた。
「あああっお尻も下腹部もおかしくなっちゃう!」
 いずみは薄れてゆく意識の中でフェイクいずみの心を読んだ。
 その瞬間。いずみのからだにフェイクいずみの体感がなだれ込んできた。
 フェイクの傍受したいずみの快感は、菊丸の責め苦に免疫のないフェイクのなかで増幅されたものとなり、いずみに注ぎ込まれ、そこでさらにいずみの快感が加算され、その快感がふたたびフェイクへと流入し、ふたりのあいだで快感がハウリングを起こした。
「ぐひぃ‥‥んはあ‥‥おひり‥‥あそコぉ‥‥」
 そんなこととはつゆほども知らない菊丸はいずみの体操着のシャツをまくると乳首をギュウッとつまんだ。
「あきゅううううん! ちぐびひぃ‥‥ちぐび! だんめぇぇっ」
 お互いの知覚をループするごとに悦楽のインフレーションが加速してゆく。
「おりぢなるとのぉ同期をかいじょぉ‥‥どおきをを解除ぉぉ」
 白目を向いたフェイクいずみが叫んでいる。
「きぐまるぅぅもう‥‥もうう‥‥イ‥‥イ‥‥」
(いずみ。これだけは覚えていてくれ。フェイクはしょせん偽物。剽窃の徒にオリジナルは絶対に超えられない)
 ミヒャエルの言葉が脳裏をよぎり、いずみは気を失った。

「あらら。いずみちゃんノックダウンしちゃったかなぁ」
 放り投げたブルマーとパンティを拾おうと辺りを見回したとき菊丸ははじめてもうひとりのいずみの存在に気づいた。
「あれ! いずみちゃんがもうひとりいるぞ!?」
 地面に倒れている意識のない、いずみとよく似た少女に駆け寄る。
「いずみちゃんにそっくりだけどよく見ると違うなぁ」
 フェイクは髪型こそいずみに似せたサイドテールであったが、顔の造形はいずみより垂れ目で頬もやや突き出している。腰はひょうたんのように不自然にくびれ、やけに下半身が肥大化していた。
「おっぱいもいずみちゃんより少し大きいな。まいいや。据え膳食わぬは男の恥! せっかくだから普段いずみちゃんにできないことしちゃおう」
  体育着のシャツを脱がし上半身を裸にする。続けてブルマーを剥ぎ取った。
「このときを待っていたんだ。いずみちゃんじゃないけどほぼいずみちゃんの待ちに待ったご開帳」
 満を持してフェイクいずみの両脚を開いた。
「ご、ご、ご開帳成功!!!」
 いずみに酷似した少女の股間。艶やかな大陰唇。その内側に桃色の小陰唇が花をひらき、上部にはクリトリスが勃起し露出していた。菊丸は感動の涙を流しながら、小陰唇をひらくと、奥に処女膜が確認された。
「では! いただきます!」
 その直後。後頭部を猛烈な力で殴られた。
 菊丸は頭からマンガのようなコブをはやし倒れた。
 自力でベンチから脱出したいずみだった。
「大丈夫ですか?」
 声をかけるも反応はない。フェイクいずみは、みるみるうちに金髪の女に姿を変えた。いや、この姿こそが本来の姿なのだろう。
 突然、女の周囲が円状に光り出した。不穏な気配に菊丸を引きずりその場を離れた。白いトーガを身にまとった男とも女ともつかない複数のシルエットあらわれ、女をとり囲むと、あっという間に消えてしまった。
 公園は何事もなかったかのように午後の陽光を反射させている。
「うーん。いててて。いずみちゃん暴力反対」
 菊丸が意識をとりもどした。もういちど鉄拳をお見舞いしてやろうかとこぶしをふりあげたそのとき。
「あーっこのおねーちゃんおしり丸出しだー」
 子どもたちが笑いながら集まってきた。
 いずみはあわててブルマーとパンティを拾いあげると、股間をおさえ走った。

 数日後。頭のコブが半分ほどの大きさになった菊丸は街でひとりの男に呼び止められた。身長二メートルはあろうかと思われるスーツを着た黒人である。
「ミヒャエルからの伝言だ。エルミタージュはフェイクからの聞き取り調査の結果。お前により力を失ったオリジナルに脅威なしとの結論に至り、かのテレパスをリストから抹消した」
「ナ、ナンデスカ! デンゴン? ポタージュ? クレパス? ヒトチガイジャナイデスカ?」
 流ちょうな日本語で話しかけられたにもかかわらず、なぜかカタコトで応じていると、すでに男の姿はなかった。

 いずみは時折ミヒャエルの言葉を思い出す。菊丸のせいで心を読む力がなくなっていると。
 そうかもしれないが心が読めることでトラブルが増すのも事実だ。このまま力を失ってしまったほうが平穏に過ごせるような気もする一方で、またいつ放たれるやも知れぬエルミタージュの刺客や、世界中に点在する700余名の同胞に思いをはせると、それではいけないという気にもなった。
 いざという時のために少しはトレーニングでもしようかと道行くひとの思考を覗こうと試みたそのとき。後ろから胸をムンズとつかまれた。
「いずみちゃん見-っけ」
 菊丸だった。
「何するのよー!」
 ゴン! という音が繁華街に響きわたり、周囲のひとたちが振り返った。
 治りかけのコブの上に新しいコブを乗せてうずくまる菊丸。
「いたたた! せっかく治りかけていたところなのにー!」
「自業自得じゃない」
「おかげでさっき言われたデンゴン忘れちゃったじゃないか」
「伝言?」
「そうだよへんな外国人と会ってさぁ」
「外国人? どんなひと?」
「背のでっかい黒人だった」
 ミヒャエルではない。いずみは残念とも安堵ともつかない気持ちになった。
「でもきっと人違いだと思うんだよなぁ、言ってることも意味不明だったし‥‥。誰に言えばいいのかも言われなかったし。おまけにぼくあんな知り合いいないもの」
 いずみは菊丸が受けた伝言の内容をを探ろうと心に侵入をかけてみた。
 菊丸の頭の中で、ウェディングドレス姿のいずみが浮かんだ。結いあげられた頭にヴェールをかぶり、むき出しの肩。首には真珠のネックレス。胸元の生地は切り取られ、裸の乳房が露わになっている。ロングスカートは前部分が開いており、ガーターベルトとパンティは正面から丸見えになっていた。
「なんてものを着せるのよー!」
 繁華街にひときわ大きな打撃音がとどろいた。
「わたしにもあのひとのような力があればこいつを遠くに飛ばしてやるのにー!」
 それでも炸裂したアッパーカットは菊丸を5メートル宙に舞いあげた。


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コメント

  1. 匿名得雄 より:

    いずみちゃんの超能力が無くなった理由として納得がいきました。肛門攻めに、御開帳もあり興奮しました。
    菊丸もエロの超能力者ではないでしょうか。

    • みなみ より:

      コメントありがとうございます!そうかもしれないですね。結果的に菊丸の活躍(?)で敵を倒していますしね^^